分散剤/界面活性剤の話

【背景・目的】
炭素材料の水への濡れ性を向上させ、水系での電極特性を向上させたい。濡れ性向上アイテムとして、界面活性剤の使用を着想した。

が、筆者は界面活性剤についての知識がほぼ皆無(「せっけんとか、ミセル構造とか作るんでしょ?」程度)のため、本屋で立ち読みして情報収集した。けっこう勉強になったし、別の機会でも役立ちそうな知識だったので、メモしておく。

【学んだことまとめ】
1.界面活性剤の選定基準は、大別して2カテゴリー。
カテゴリA:イオン性
 ①アニオン性 ②カチオン性 ③ノニオン性
カテゴリB:分子量
 ①低分子 ②高分子

2.上記選定基準の考え方
カテゴリA:イオン性について
 ①アニオン性の界面活性剤と正に帯電した粒子(表面電荷が正の粒子)とが相性がいい。逆も然り。
 ②ノニオン性(要は'ノン''イオン性')はカーボンとの相性○
カテゴリB:分子量について
・・・正直あんまわからんかったけど、、
 ①低分子は界面活性作用が少量で作用すると書いてあった。
 ②高分子の方が少量で分散作用得られると書いてあった。

3.その他濡れ性についての学び
①溶媒への濡れ性と分散性はかなり相関がある。
:どちらも溶媒と溶質の相互作用の強さに比例するため。
②溶質粒子の表面電荷は、ゼータ電位で議論されることが多い。
(筆者はゼータ電位をほぼ名前しか知らなかった!こんな使い方なんやな〜〜)
定性的には意外と単純な議論でいけるやん!

【ちょっと詳細】
1.界面活性剤の選定基準
界面活性剤の分子構造はこう!
炭化水素鎖(疎水基)+なんか官能基(親水基)

イオン性は親水基の正負で決まるよ!
アニオン性:スルホ基,カルボキシ基とか
カチオン性:アミノ基とか
ノニオン性:エーテル,ヒドロキシ基とか

なんか知らんけど、アニオン性とノニオン性がメジャーっぽいです!以下メカニズム解説。

例えばスルホ基(=アニオン性)は溶媒中でプロトンを放出して、負に帯電するからアニオン性って呼ばれてる。
酸性のものをぶち込むんだから、溶媒・溶質の酸への耐性とか気にした方が良いかもね〜。
カチオン性はアニオン性の逆。アミノ基が塩基として振舞ってる。

ノニオン性はヒドロキシ基とか、エーテルみたいに溶媒中でイオン性を示さない奴ら!
炭素材料なんかはイオン性をあんまり示さないから、ノニオン性との相性○
今回の目的では、ノニオン性の界面活性剤をメインで探してみるのが良さそうっすね!!!

ちなみに、、、
炭素材料も欠陥由来のカルボキシ基とかがあって、そいつらが多いと界面活性剤無しでそこそこ分散するらしい(単独分散型炭素材料)。でも、電極材料として使う時は欠陥の少ないカーボンを使いたいので、今回の検討では無視しました。

2.分子量について
なんかよーわからんけど、分子量大きい方が良いって記述が多かった。
   立体効果がいっぱい得られるからね。
ここは色んな分子量のもの使ってみてトライandエラーかな。できるか分からんけど。

3.濡れ性についての学び
①濡れ/分散についての基礎理論
界面活性剤は、疎水基と親水基両方持ってるから、溶媒と溶質両方に親和性があって、そこを橋渡しする機能って認識は有名だよね。
んで、溶質粒子の周りに界面活性剤が吸着してミセルを作ることで安定分散することも有名だよね。
だから、界面活性剤選定においては、界面活性剤-溶質粒子-溶媒粒子の親和性のバランスが重要らしい。
界面活性剤のイオン性と溶質の表面電荷(ゼータ出る)が逆の方が吸着が良い。
正に帯電したチタニア(TiO2)はアニオン性の界面活性剤と相性良いってことやな。
チタニアにアニオン性界面活性剤を微量添加すると電荷が中和されて0に近づく。さらに添加すると電荷はマイナスになる。
分散性は微量添加の時一旦悪くなって、さらに添加するとめっちゃ良くなる。これは、電荷0の時に溶質粒子同士の静電反発がゼロになって、引力(ファンデルワールス力由来)に負けちゃうから。さらに添加して電荷がマイナスになると、粒子間の静電反発が強くなって、分散性がめっちゃ向上するってからくり!

溶質の表面電荷について。
表面処理とかによってもめっちゃ変わるらしい。
金属酸化物についてはそこそこ分かり易い説明があったので紹介する。
金属酸化物は、水中では大体表面に水酸基がついてて、水酸基のプロトンの解離or結合によって表面電荷が変化する。
水酸基のプロトン解離or結合はpHに左右される。
pH高の時はプロトンが解離するから、水酸基はO-になって、負に帯電するので表面電荷はマイナスになる。pH低の時はその逆。

あとはカーボンについて。
上でも書いたけど、欠陥由来でカルボキシ基とかもあったりして、プロトン放出してマイナスに帯電したりもする。ただ、欠陥少ない綺麗なカーボンならあんまり帯電してないって感じかな。たぶん。


書くの疲れたからこのくらいで。



















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