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Vol.8【新規開拓は辛い】

時代が変わっても変わらない
『営業経験30年の僕が伝えられること』

これまでの営業経験から学んだことを
発信してきたいと思います。

Vol.8 【新規開拓は辛い】

僕は旅行会社で教育旅行の営業をしていたが
会社から与えられた担当校の中に
今まで何年も仕事を受注したことの無い
学校も担当校としてあった。

いわゆる「新規開拓」だ。

セールスパーソンの中には
創立以来仕事をしたことの無い学校を
担当校としている社員もいた。

若いころは業務に対しての経験やスキルが浅いので
得意先など担当はできず「新規開拓」の学校ばかりだった。

業種にかかわらず営業職の若手社員は
そんな感じが多いのではないだろうか。

学校へ訪問して「受付」で名刺を渡して
「旅行担当の先生とお話をしたのですが」と面会をお願いするが
「御社とはお付き合いはありませんからお引き取り下さい」
で終わってしまう。

訪問時間は受付でものの1分だ。
学校によっては僕の名刺が何十枚と
受付に置かれたことだろう。

30年以上前の話だが、このころはとにかく1日の時間が長かった。

喫茶店にもよく行った。
「新規開拓」の学校のまわりの喫茶店には詳しくなった。

今ではただでさえ「人手不足」だし
特に旅行業界や観光関連の業界は
オーバーツーリズムの問題もあり人手が追い付かない。

営業する会社としては「得意先」を守るのが必至だし、
少しでも競合ができて仕事の受注の可能性があるところに
人を配置するから、かつてのような流ちょうな時代ではない。

でも今の時代でも、やり方はかわっても
「新規開拓」が無くなることはないと思う。

営業をして少し月日が経つと「新規開拓」ばかりではなく
「競合できる案件」や先輩社員に付いて「得意先の案件」
なども任されるようになってくる。

それでも自分の担当からは「新規開拓」は無くならなかった。

時にこちらのミスではなく、先方の都合で
「旅行行事の見直し」などで、今ある仕事がなくなることもある。

競合での受注率を上げることもしかり
今まで仕事の無かった顧客の発掘もしていかなくてはならない。

しかし「新規顧客」からの受注は簡単ではない。

それゆえに「新規」の顧客獲得はセールスパーソンとして大金星であり
会社からの評価も高く、支店長をはじめ周りの社員からも称えられた。

今までの営業経験から「新規開拓」の秘訣は何だっただろうか?

確かに決定権を持っている理事長や校長先生の親しい人に
たどり着き、そこで紹介してもらいいきなり大きな
修学旅行の受注に至るケースもあった。

しかし、学校の旅行というのは
特に大人数の生徒を取り扱う修学旅行の場合は
手配や準備のために実施の1年以上前に契約する。

その1年の間に先生方との打ち合わせが続くので
やはり現場の担当者と現場の先生のやりとりが上手くいかないと
継続した契約というわけにはいかない。

新規受注はしたものの、実施までの打ち合わせが上手くいかず
信頼関係を構築することが出来ずに
1回の実施で終わってしまうことあった。

そして、その後まったく仕事が無くなってしまうことも
少なくはなかった。

時間はかかるけど担当者が訪問して
現場の先生方から少しづつ浸透していって

まずはクラブ合宿あたりから受注して…
その次に希望者のスキー教室を取り扱えるようになって…
その次に…
その次に…

そして大きな修学旅行へと…

こんな感じに段階を踏んで
時間をかけて小さな成功を繰り返して
時間をかけて大きな契約に結び付くのが理想だと思う。

時間をかけた分、顧客との人間関係が構築出来ていくと
連続して随意契約に至るケースが多い。

でもこのように時間のかかる「新規開拓」は
モチベーションを保つのが大変だ。

残念ながら自分は営業には向かないと決めつけて
心折れて退職してしまう社員もいた。

「新規開拓」は断られることはあたりまえ
アポイントが取れただけでもラッキーくらいで考えた方がいい。

大切なことは、時間があいてもいいから
「継続」して営業を続ける事。
学期ごとに1回でもいいから訪問して
パンフレットやチラシや名刺を置いてくること。

「新規開拓」先の近くに美味しい昼食場所を見つけて
それを楽しみに『ちょっと新規顧客のところに寄ってみるか』
程度でもいいと思う。

実際にかつての僕もそんなことで
モチベーションを維持していたこともあった。

そのうち、継続することでチャンスは向こうからやってくることがある。

「旅行の方面変更を考えている」
「あたらしい旅行行事を考えている」
「生徒じゃないけれどPTA懇親会の提案をしてほしい」
などなど…。

小さな穴から巨大なダムが決壊することをイメージする。

また
「今、取引している会社のリスポンスが悪いから
他社から見積もりを取りたい」
などの情報が入った時は大きなチャンスだ!

でも、こういった話も学校に訪問していないと
情報として入ってこないしチャンスは訪れないと思う。

ほかの会社に相談したいと思った時に
ずっと毎回置いてくる「名刺」が目に付けば
「ハッピーコール」につながる可能性もでてくる。

「新規開拓」は「ゼロ」で当たり前
「気持ちを軽くして」定期的に継続して訪問
この繰り返しが大切なような気がする。

言葉にするほど簡単じゃないんですよね~💦


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