春の悪党ピカレスク物語
頃は節分 宵の大川端 振り袖姿の女装の盗人 お嬢吉三が金を強奪して 言う歌舞伎の名台詞
「月は朧に白魚の かがりもかすむ 春の空 冷てぇ風に ほろ酔いの 心持ちよく うかうかと 浮かれがらすの ただ一羽 ねぐらへ帰る川端で棹の雫か 濡れ手で粟 思いがけなく 手にいる百両 ほんに今宵は節分か西の空より 川の中 落ちた夜鷹は厄落とし 豆沢山に一文の 銭と違って金包み こいつぁ春から 縁起がいいわぇ」
歌舞伎の名作 河竹黙阿弥の「三人吉三 廓の初買い」 この後、百両手に入れたお嬢吉三のところに お坊吉三が横取りしようと出て来て争う そこへ和尚吉三が仲裁に出て来て 金をかすめ盗ろうとしたから大騒ぎ…
吉三が三人 三人が三人とも盗人…結局、三人は刺し違えて死んでしまうのだが… こういう人間の業欲さ…こんな人間関係は今の世の中にもある
この百両の金を権力に置き換えてみれば分かる 権力争いで奪い取っても 結局は同じ盗人だったって例が…これを因果応報と云う
結局、人間って奴は同じことを繰り返して自滅してしまうのだ 周りを見ると 近くにも結構いる どうせ自滅するのになぁと気の毒になる人間って奴は昔も今もおんなじなんだよね
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