それほど「寂しさ」という病は重症で、一線を越えさせない為にはやはり誰かの目が必要なのだ。
『親たちが警戒を解いている年齢層の人たちの中に、最も警戒しなければならない不審者が潜んでいる可能性もあるわけです。また、不審者は独身で無職というイメージが根強くあるのですが、これも必ずしも正しくありません。強制わいせつ事件の容疑者の40.3%が既婚者、80.6%が有職者だという統計結果が出ているのです(法務省『犯罪白書(平成27年版)』)。また、「うちは男の子だから大丈夫」と考えている方がいるかもしれません。しかし、男児を対象とした強制わいせつ事件は実際に存在します。不審者の性的嗜好はさまざまですから、性別にかかわらず、わいせつ事件に巻き込まれる可能性は十分にあるのです。~このように街の中にある人けのない場所は、まさに監視者が欠如した状態であり、犯罪が起きる可能性の高い場所だと考えられるのです。では、もう1つの犯罪が起きやすい場所とは、どこでしょうか?それは、不特定多数の人が出入りする場所です。~「人が多い場所」とは、誰がいても不思議ではない場所だと言えるでしょう。人が多ければ、そのぶん他者に対する注意も薄れます。したがって、犯罪者にとっては逆説的に「目立たない」場所になるのです。目的を達成した犯罪者は、とくに怪しまれることなく、容易に人混みに紛れて逃走してしまうのです。そうした意味で、商業施設の多目的トイレや非常階段、駐車場などは物理的・心理的な「死角」として、犯罪が起きやすいスポットになるのです。とくにトイレは、事件現場になりやすい場所。個室の内部(ドアの陰)に不審者が潜んでいる可能性もあります。もし、子どもと買い物をしていて1人でトイレに行かせるような場合でも、外から定期的に声をかけ、大人の存在を知らせることで被害を未然に防ぐことができるでしょう。~無差別殺人犯の多くは、独りよがりの傾向が強く、そのため自分が適応できない社会に深い憎悪を持っているという特徴があります。また、歪んだ自尊感情を持ち、自分が正当に評価されていないのは社会のせいだとして、強い反発心を抱いていることも特筆すべき特徴です。彼らがどのようなきっかけで「暴発」するのか、事前に察知することはほぼ不可能でしょう。しかし、対策がないわけではありません。たとえば、効果的なのは、商業施設内の監視カメラを、適切な場所に増設することです。また、急に人に近づこうとする、同じ場所を何度も往復する……といった異常行動を検知するシステムを取り入れることも有効でしょう。実際、AIを使って、こうした不審行動を検知するシステムがすでに大手メーカーによって開発されています。一方で、無差別殺人犯を生まない取り組みも欠かせません。彼らがまわりから孤立して、社会に対する憎悪を拡大させる前に、その社会との「接点」をつくることが重要なのです。』
自立と孤立や孤独と孤立の違いがはっきりとせずどんどん社会から遠のいてしまうと心が闇に支配され他虐的もしくは自虐的な行動をしてしまうことは実は誰にでも起こりえる。それほど「寂しさ」という病は重症で、一線を越えさせない為にはやはり誰かの目が必要なのだ。
犯罪が起きやすい「週末の商業施設」に潜む闇
犯罪者の人物像についての誤った思い込み
https://toyokeizai.net/articles/-/375200
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