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単一ツールではコスパやUXが最適化されるとは限らない。

『政府は6月に「契約書への押印は特別の決まりがない限り不要」という内容のガイドラインを発表し、多くの企業が「紙の契約書と押印」の慣習を改めようとしている。紙の契約書や各種帳票を電子化し、従来の押印を電子署名などの手法に置き換え、業務のペーパーレス化や電子化に乗り出すところが増えてきた。しかし電子署名を導入して契約書の押印を廃止してみたものの、実際には思うようにテレワーク化が進まないケースもあると聞く。契約書の管理業務に詳しいオープンテキストの市野郷学氏(EIMエバンジェリスト)は次のように分析する。「国のガイドラインでも明示されていますが、契約行為の有効性を証明するには、契約書の押印は必ずしも必須ではなく、むしろ契約の合意に至った『プロセス』を証明できることが重要です。具体的には、契約内容の交渉過程や最終合意に至った経緯を証明できるメールや文書の記録が必要になります。そのため契約書そのものだけでなく、交渉過程の記録文書の管理も含めた『契約書のライフサイクル管理』が求められています」契約書を電子化し、電子署名を導入したはいいものの、契約交渉の過程でやりとりされたメールは当事者のメールボックスの中にしか残されておらず、最悪の場合は本人の判断で削除されてしまうケースもあり得る。社内での契約内容のレビューや承認のプロセスも、当事者同士がメール添付のドキュメントを直接やりとりして行っている場合がある。そのためプロセスを外部から検証することが難しく、コンプライアンス上の問題を引き起こす危険性とも常に隣り合わせだ。~テレワークの促進だけでなく、契約書にまつわる業務全体のスピードアップも図れる。紙の契約書の作成から締結までには、通常は2週間以上かかるが、Extended ECMによるペーパーレス化とワークフロー化が実現すれば3日に短縮できるという。紙の契約書には欠かせない収入印紙も電子契約では不要になり、その分のコストも節約できる。Extended ECMを導入すると、これまで担当者同士が個別にメールで行っていたやりとりが全社標準のワークフローに統一されるため、契約書管理業務のプロセスの可視化や透明化が進み、ガバナンスの強化も期待できる。~Extended ECMを導入すると、これまで担当者同士が個別にメールで行っていたやりとりが全社標準のワークフローに統一されるため、契約書管理業務のプロセスの可視化や透明化が進み、ガバナンスの強化も期待できる。』

「しょせんは民・民の話」とIT担当大臣も豪語したので「契約書への押印は特別の決まりがない限り不要」とのガイドラインを発表したわけで対外的な承認書類と内部的な承認書類ではその重要性や証拠性にも温度差がある。単一ツールではコスパやUXが最適化されるとは限らない。

「電子署名の導入」だけでは、契約業務プロセスはうまくいかない 解決策は?
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2009/01/news004.html

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