見出し画像

深夜放送「あの頃私は若かった」

私75歳
気持ちは若いが身体は正直。
寝付きは極めて良いが、早く目覚めるようになった。
そんなときは、枕元に置いたラジオの深夜放送に耳を傾け、なんとなく聞いている。

我が青春時代の深夜放送のリスナーは、受験勉強中の若者やトラック・ドライバーの人が中心だった。
記憶にある番組は、セイヤング、オールナイト・ ニッポン、パックイン・ミュージック、走れ歌謡曲といったところ。
深夜放送ではないが、「今晩は、森繁久弥です」なんていう番組もあった。

「本当の幸せに 
 しみじみとむせび泣きたいのなら
 あなたよ
 今日の不幸せには
 笑って耐えようではないか
 友よ 明日泣け!」
番組冒頭に森繁久弥氏が語るこのせりふは、今でも鮮明に覚えている。

当時のディスクジョッキーで記憶にある名前は、「レモンちゃん」こと落合恵子。
土居まさる、なっちゃん(野沢那智)、チャコちゃん(白石冬美)といったところ。
由紀さおりの「夜明けのスキャット」や、ザ・カスケーズの「悲しき雨音」など、深夜送から広まった音楽も多くあった。

「空に☆があるように
 浜辺に砂があるように
 僕の心に たったひとつの
 小さな夢があリました」
荒木一郎のこんな歌もヒットした。

最近の深夜放送のリスナーはシニア層が増えて、大半を占めているそうだ。
確かに、リクエストや番組で紹介される手紙の内容は、そんな年代の方が少なくない。
深夜放送で青春時代を過ごした団塊世代の人たちが、懐かしくてリスナーに戻っているのかもしれない。

そのきっかけは、NHKの「ラジオ深夜便」と言われている。
この番組、当初はシニア層を意識して、「ゆっくり話す」や「静かな音楽をかける」ことを番組作りのテーマにしたと聞く。
その目論見があたったといったところか。
最近は、「ママ深夜便」から「みんなの子育て支援便」、「地方発深夜便」などと、幅広く変遷しているようだ。
「ラジオ深夜便のつどい」といった、リスナーとの交流も展開している。

「あのころぼ~くはぁ~♫ 若かったぁ~(^^♪」
深夜放送を聞きながらの「ながら勉強」が懐かしい。
ふと、そんな青春時代を振り返る私。
もっとも、昔を懐かしがるようになったら、人間、もうおしまいかも・・・・といったことを聞いたような聞かないような・・・・???

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?