中高生のための就職ガイダンス「何もなくてもホウレンソウ」
何もなくてもホウレンソウ-
念のため、野菜のホウレンソウではありません。
このガイダンスでは、複数回登場している言葉です。
それくらい意味のある、大事な言葉です。
「報告・連絡・相談」を略して「報・連・相」。
仕事におけるコミュニケーションの、基本中の基本。
仕事では、「何もないから報告しなくて良い」ではだめ。
「何もないことを報告する」ことが必要。
何も伝える内容がなくても、ホウレンソウは大事ということ。
「ありました」の報告があれは、それに対する次の手がある。
「何もありませんでした」の報告があれは、それに対する「次の一手」が打てる。
「次の一手」は、結果次第で変わるもの。
結果報告がなければ、手の打ちようがない。
何もないことを報告する人は、コミュニケーションがとれる人。
コミュニケーションがとれる人は、人間関係を作れる人。
人間関係を作れる人には、仲間や情報が集まる。
ところで、人間関係にはトラブルがつきもの。
人間関係と聞くと、ほとんどの人は、「むずかしい」とか「わずらわしい」というイメージを持っている。
人間関係とは、そもそも、矛盾に満ちているもの。
「千差万別」や「十人十色」は、その通り。
それに気づかないで、「うまくやらなければ・・・・」と思いこんで悩む。
そんな若者が多い。
いや、若者だけでない。
老若男女、今の世の中、そんな人の方が多いかも知れない。
そういえばこんなのがありました。
夏目漱石の小説『草枕』の冒頭に登場する名言です。
智に働けば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。
どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。
やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。
ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。
あれば人でなしの国へ行くばかりだ。
人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。
そう、会社も、人が作った人の世です。