展覧会レポート ヨシタケシンスケ展 松坂屋美術館
会期 2022年12月10日(土)〜2023年1月15日(日)
名古屋にも巡回したヨシタケシンスケ展についてここに記しておく。ヨシタケシンスケの世界に出会ったのはどのくらい前だろうか。リンゴかもしれないの絵本が出版されてすぐだろうから、10年前くらいだろうか。
我が家がNY滞在していた時代にお世話になった知人が、ヨシタケ氏と懇意にしていることを聞き驚いたのも随分と前の話だ。
ヨシタケ氏の絵本の数々は読み聞かせをしている大人にも響く。
展覧会の初っ端から、1番の見どころは展覧会を見に来た人だ!と言う説明。
流石の発想!
筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了したヨシタケさん。学生時代は3D作品を制作していた。かぶりものシリーズなるものの作品詳細がパネルで展示されているのだが、その作品を実際に使っている様子を撮影した動画がかなり面白かった。
私のお気に入りはこちら
出来上がった作品は、こんなに精巧に作られているのに、コンセプトに緩さがあって、そのギャップがなんとも言えず思わずクスッとしてしまう。今回の展覧会で一番好きなパートの一つと言っても過言ではない。
これが最初にガツンと展示されていて、後に続く展示への期待感が高まる。
また、作品の説明が、鉛筆書きだったり、付箋だったり。
そして、膨大な量のネタ帳の展示は圧巻。ヨシタケさんの頭の中に突っ込まれた感じ。
罪悪感で興奮できる可愛い生き物とか、事実は一つしかないけどその捉え方はいくつもあるとか。1枚1枚に頭の中のひとかけらを丁寧にかき集めたら、こんなに膨大になっちゃいました!てな感じ。この展示もいつまでも見ていたかったな。
至る所に絵本の原画やら、デザイン画やら、絵本にちなんだ展示やら、お子さんが作ったレゴの作品やら、雑多に置いてあって、まさに玉手箱!頭の中!と言った感じ。
特に好きだったのはコレ
あと、驚いたのは
ヨシタケさんは作画はするけど、色はデザイナーさんがつけているというところ。
コピック新品のままだって。
最後のこのタペストリーは、なんだか胸にグッとくるものがあって、
どんな子どもでも、大人になりすぎた大人でも、未来を諦めないでって優しく背中を押してくれていて。
ちゃんとオチがあって。
なんか人生捨てたもんじゃないよねって思えるような。あったかい気持ちで。
最後には、お土産まで。
これ人で隠れちゃっているけれど、ここに大きなツボがあって、その中に、あなたの未来なれるかもしれない職業カードが入っている。1枚引いて運試し。
私は「メチャクチャ美味しい佃煮屋さん」友人は「踊るカウンセラー」!
またここで、心がじんわり。
絵本の下絵だけじゃなくて、ネタ帳やら、絵本にちなんだ展示やら、子どもから大人まで、絵本を知らない人でも楽しめる素敵な展覧会だった。
最初に「1番の見どころは、お客さん!」と書いてあったように、展示や動画に反応する学生さんの漏れ聞こえた発言にクスッとしたり、絵本について熱っぽく語る女の子二人組の会話に、ほんわかしたり、人間っていいな、人生って味わい深いなって思えた時間でした。
また第二弾やってほしいな。
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