ハロー

池の畔にあなたは一人佇んでいました
その横顔は本当に本当に綺麗でした
あなた魔法が使えるのよね?
私は知ってる 私だけが知ってる

あなたと一緒に春を迎え夏を迎え
誰も知らない部屋の中でただ守られていよう
あなたと一緒に秋を迎え冬を迎え
誰も知らない闇の中へ消えて行くのもいいかもしれない

その瞳はいつも寂しそうに透明で
本当に本当に美しいと思います
覗き込んで私の姿を何度も確かめるのですが
本当に映れているのでしょうか?

あなたのくれたたくさんの喜びや幸せが
底上げしただけの日常に姿を変えたとき
「魔法はいつか消えてしまうんだ」と
あなたは強い目でそう言いました

夢から覚めて魔法は覚めて
いつか全て消え行くものだとして
夢でもない魔法でもないただの明日を
選ぶことにしたら僕ら
また待ち合わせしよう

ハロー、ハロー
あなたの手あなたの目
湿っぽい肌の温もり
ハロー、ハロー

ハロー、ハロー
あなたのいる毎日
あなたのいなくならない毎日
ハロー、ハロー

ハロー、ハロー
ハロー、ハロー

『ハロー』 2015年6月

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