転職、独立、そして離婚-6-

妻:「私、東京には行きませんから。」

僕:「またー何言ってんだよw」


僕はまだ妻のこの言葉を軽く受け止めていた。


でも、

”今後の生活拠点はどうすればいいんだ”

という不安は常にどこかで持っていた。


しっかり話さなきゃいけないとは思っていたものの、

お互いなんとなくこの話題は避けるような雰囲気だった。


僕は、週末だけ家族の元へ帰るという生活に慣れすぎてしまっていたし

それは僕だけではなく、妻もだった。


もう完全に母子家庭だよね、妻はそんな言葉を時折言うようになっていた。

僕は笑ってごまかし、また東京へと戻っていく生活は続いた。


東京へ戻る湘南新宿ラインのグリーン車内はいつも寂しく、

そういえば最近聞いてないな、妻からの好きという言葉、、

ふとそんなことを考えながらグリーン車内の窓から

ぼーっと窓にあたる雨を見つめていた。


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