チームのMission/Vision/Valuesを作る工程
こんにちは。
IT企業の法務部で働いているよしだです。
先日、私の所属している法務コンプライアンス部門のMission/Vision/Values(MVV)を策定しました。
初めてチームでオフサイトミーティングを行こない、その場で半日かけて議論し、マネージャー陣で最終精査をして決定しました。
キーワードは、「攻守の要」「信頼」「対案」「知見の豊かさ」「リスクテイク」「Legal mind」でした。
MVVの内容を社外に公開するのは、また後日にし、今回は、策定にあたってどんな想いで取り組んだのか、どんな流れで作ったのか、具体的に何をやったのかなどをお伝えできればなと思います。
自分なりに叩き台を作ってみる
私はまず、自分の考えるチームのMVVを言語化してみました。
作るにあたっては、他社の法務の行動指針を調べ、ビジョナリーカンパニーやパーパス経営に関する本などを読みました。
ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる
(参考)日清HDの法務の十戒
(参考)前職のVisionalの十戒
かなり悩みましたが、当社のMVVが明確で、定義もしっかりあったので、考えやすかったように思います。
MVVが当たり前にある環境だったからこそ、まずは叩き台を作ってみようと思えたように思います。
私がまずは言語化した理由は、議論の土俵を作りたかったからです。
口頭でいくら話していても、形にならないと何も決まらないし、進みません。
決まったこと、合意形成できたことをピン留めしていくことで、一歩ずつ前進します。
そのために、私はまずは叩き台を作ることにしました。
その後、この叩き台を、役員、マネージャー、メンバーに1対1で当てていきました。それぞれの声を聞いて、少しずつ反映させて、よりよい叩き台を作っていきました。
MVVを考えるにあたって、チームの課題を自分なりに分析して、中長期の組織戦略、人員構成も、自分の理想を勝手に作ってしまいましたw
これらは、目下マネージャー陣で一緒に検討中です。
なお、MVVの定義は、以下の定義としました。
Mission チームの使命
Vision ミッションを達成するために目指すべき未来
Values 行動指針(チームとメンバーの理想像)
策定から浸透までの作戦を考える
今回の目的はMVVを通じて、法務コンプライアンスチームの進んでいく方向性を示すことで働きやすい環境に作っていくこと。
あっちこっちに行って迷わないようにするために、立ち帰れるものを作りたかった。
そうすると、自分ごとにしてもらわないと、なかなか浸透もしない。
なので、みんなに参加型で作ってもらうことを選びました。
ゼロから議論して作ることは難しいので、皆さんち、チラ見せし続けた叩き台をもとに、オフサイトミーティングの場で議論して作り込んでいくことにしました。
スケジュール感はこんな感じでした。
2023年12月 MVVの叩き台を勝手に作り始める。
2024年1月前半 オフサイトミーティングやりたいなーとマネージャーに伝え始める。MVVを作ってみてるんだよねーとみんなに見せ始める。
2024年1月後半 CLOから、オフサイトミーティングやろう!と言ってもらう
2024年2月 株主総会でバタバタしてたので、少し放置。
2024年3月 企画再開。企画書作成。CLOと二人三脚で方針検討。会場はここ段階で押さえました。
2024年4月 CLOと育休明けのマネージャーと3人で詳細な議論開始。MVVの叩き台も、日々ブラッシュアップ。他部署にインタビューを開始。
2024年5月 メンバーにMVVの叩き台と事前ワークシートを展開。5月後半に、オフサイトミーティングを実施。
目的に沿った企画を考える
今回、法務コンプライアンスチームでは、オフサイトミーティングを実施するのが初めてだったので、かなり丁寧に企画を作りました。
目的:チームメンバー同士の相互理解とMVVの策定し、働きやすい職場環境を作る
これを実現するために、何をやるべきか、何をやるべきでないかを3ヶ月程度検討しました。
【当日のコンテンツ】
①アイスブレイク
②CLOメッセージ
③法務コンプライアンスチームへの期待される役割から、MVVを考える
④3年後、どんな法務コンプライアンスチームだったら働きやすいか、働いていたいか
※③④については、事前に考えてきてほしいのことを記載したワークシートを用意して、メンバーに展開していました。
企画で、1番大切にしたのは、ついつい盛りだくさんな企画になってしまうので、余計なものは入れない、やらないことを決めるでした。
カルチャーも議論したいなーとか、キャリアについても話してみたいなと、マネージャー陣で話をしていたのですが、効果を最大限にするたまに、目的から考えて、必要なことのみに絞ることにしました。
また、できるだけ対話に時間を使いたかったので、資料は事前に展開して、思考メモを残してきてもらうようにしました。
運営をしていると議論に混ざれない可能性もあったので、あとからでもメンバーの考えが振り返れるようにとの狙いもありました。
アイスブレイクで空気を作る
アイスブレイクが、当日の空気を決めると思っていたので、かなり慎重に選びました。
また、目的に沿ったアイスブレイクにしたかったので、私はWevoxバリューズカードを選びました。
このゲームを会話しながらやってもらい、相互にどんな価値観を大切にしているのか、相互に理解を深めてもらうようにしました。
仕事での価値観に限らず、人生や生活において大切に価値観を共有してもらうことを目指しました。
かなり緊張もほぐれ、笑い声も聞こえてき、いい空気感が生まれました。
法務コンプライアンスチームへの期待
「③法務コンプライアンスチームへの期待される役割から、MVVを考える」というコンテンツを行うにあたって、役職者やよく法務相談をしてくれる他部門の方に、法務コンプライアンスチームへの期待や求めるものをインタビューしました。
たくさんの人が「いい取り組みですね。ぜひ協力させてください。」と言ってくださり、全部で30件くらいのインタビューがあつまりました。
コーポレート、事業部、開発部などたくさんの方からコメント、本質的でポジティブなコメントをたくさんいただきました。
メンバーには、それぞれのチームに分かれて、法務コンプライアンスチームの期待役割を議論してもらい、他部門からの声を見てもらって、ギャップがないか、一致しているかを考えてもらいました。
そして、これをMVVに反映していくというような、流れにしました。
普段、法務相談をしてくださっている方が、法務コンプライアンスチームに対して、どう思っているのかを知ることができて、嬉しかったと言っているメンバーが多かったです。
おわりに
オフサイトミーティング参加者から、ポジティブな意見が多かったですし、またやりたいという人がほとんどでした。
やるまでどうなるか分からなかったけど、やってよかったというのが正直な感想です。
今回、MVVの策定やオフサイトミーティングの企画で、1番大変だったのは、自分はどんなチームで、どんな風に働いていたいのかを言葉にすることでした。
自分に意思がないと、何も進めていけないので、自分のやりたいこと、なりたい姿、働いていたい環境や生活スタイルも考えるようになりました。
答えもないし、日々変わるものだと思いますが、今大切にしたいことは段々と言葉にできてきています。
自分のありたい姿と同じように、組織や責任者が願う姿、チームや周囲が願う姿があると思います。これを調和させていく。
とっても難しいことです。
バランス取りすぎると中途半端になって、ずっと揺れ続けたりしますしね。
MVVは、そんなにすぐに浸透もしないと思っています。口酸っぱく、言い続けて、使い続けていかないも続かないと思います。
とはいえ、MVVに沿っていないからと言って、抽象的に咎めるような行動はしてはいけないと思います。具体的な行動を、MVVに当てはめる。
日々のコミュニケーション、評価、振り返りなどで丁寧に取り入れていくことで、浸透していくこと願っています。
まずは自分が体現する。
ここから始めていきます。
今期もオフサイトミーティング企画するぞー!
-おわり-
(おまけ)
そもそも、なんでこんなチャレンジしたの?ともく聞かれます。
私は過去に組織開発から逃げてきたことを後悔していました(そんなに思わなくてもいいやんとも言われる)。
環境のせいにして、自分に合ってないから会社を辞める、新しい挑戦をしたいしたいから辞めると、目の前の環境をよりよく変化させることに強くコミットしてきませんでした。
けど、自分のいる環境を分析して、課題とリソースを把握して、配分していかないと、ずっと逃げっぱなしになってしまうと感じ、今回は逃げないぞと。
これからは逃げずに、自分自身が、周りのみんなが、働きやすく、チャレンジができ、成長ができる環境を、自分たちで作っていきたいなと思っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?