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ラジぽて縁結び BREW-UP 第11回放送2021.10.1

ICTを利用した街の魅力の発信と地域の活性化をミッションに活動しているNPOカワゴエ・マス・メディアさんとコミュニティFM局ナナコライブリーエフエム(周波数77.5MHz)で番組「ラジぽて縁結び」を一緒につくらせていただくことになりました。
サブタイトルはBREW-UP、毎月第一、第三金曜日の21:30からの30分番組です。埼玉・狭山出身のマルチタレントの大野 ひろみさんと一緒にパーソナリティを務めます。毎回2曲を僕がセレクトし、地域をテーマにお話ししてきます。詳しくはこちらをご覧ください。
https://koedo.info/210329nanako/
https://koedo.info/aboutus/
視覚情報のない音声メディアもいいものです。特にラジオは、マスメディアなのに、one to oneなパーソナルな雰囲気があるのが不思議です。

日本酒の日

10月1日は日本酒の日です。この日を中心に乾杯イベントなどが日本中で企画されています。日本酒の日とは、1978年に日本酒造組合中央会により定められたもの。

●十二支の10番目に当たる10月は「酉」の月、日本では「トリ」と読まれますが、元来壷の形を表す象形文字で、酒を意味しています。
●10月といえば新米を収穫し、酒蔵が酒づくりを始める季節です。以前は、酒づくりの季節が10月から翌年9月の区切りとなっており、それに合わせて酒造年度は「10月1日」から始まる一年間でした。
●日本の國酒である日本酒を後世に伝えるという思いを新たにするとともに、一層の愛情とご理解をという願いを込めて、1978年に日本酒造組合中央会が「10月1日は日本酒の日」と定めました。
●古来、日本酒は神様にお供えする神聖なものとされてきました。「乾杯」には、神様の前で人々が心をひとつにする願いが込められています。

僕はクラフトビールメーカーの人間ですが、ビールが一番好きなのはもちろんなのですが、穀物から造られたお酒全般が好きで、中でも日本酒とウイスキーはよく飲みます。そして、僕の好物の鮨をいただくときには、鮨がそもそも魚と共に米を食すものですので、やはり同じく米から出来たお酒である、日本酒が合わないわけがありません。精米歩合のコントロールによってタンパク質の部分を積極的に残したり除去したり、酵母の選択・製法の工夫により、バナナやライチやリンゴのような果実味や酸を取り入れた様々な味わいを楽しみます。

川越のさつまいも

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10月の埼玉川越地域の旬としてはやはりさつまいもです。在来品種は明治時代に現在の浦和のあたりで発見された「紅赤」。僕は、ほくほくとした食味から、天婦羅にすると最高だと思っています。さつまいもについては、近年スイーツ的な位置づけとして再定義されて、ポジティブな認知が進んだと感じています。鹿児島は種子島からきた蜜芋として人気が出た、安納芋がきっかけかもしれません。川越のさつまいもの栽培のはじまりは250年前の江戸に遡ります。享保年間1700年代半ばのことです。さつまいもは、土壌としてはあまり肥沃ではなく水はけのよい環境を好むことから、痩せた土地でも栽培することができ、江戸の昔の人々の飢饉に備えるために、栽培が開始されました。川越地域のさつまいも栽培を捉えるには、川越藩の領土が拡がる武蔵野台地の地域として観ていきます。今の行政区分でいくと、川越~ふじみ野~三芳~所沢の地域にまたがっています。そして、この川越に鹿児島”薩摩”の国から伝来したさつまいもの栽培を普及したのが、江戸の学者・青木昆陽であり、青木昆陽を称える「甘藷の碑」が三芳町の多福寺にあります。ヘッダーの写真は三芳の芋街道です。

青木昆陽
あおきこんよう
[生]元禄11(1698).5.12. 江戸
[没]明和6(1769).10.12. 江戸
江戸時代中期の儒学者,蘭学者。字は厚甫,通称は文蔵,昆陽は号。商人の子として生れる。京都の儒学者伊藤東涯に学び,江戸に帰府して開塾。評定所儒者,書物奉行。救荒食物としてサツマイモの栽培をすすめ,普及に貢献。著書『蕃藷考』 (1735) を著し将軍徳川吉宗に献じた。一方,吉宗の命によってオランダ通詞からオランダ語を学び『和蘭話訳』 (43成立) ,『和蘭文字略考』 (46成立) を著した。昆陽の蘭学の知識は前野良沢に継承され,『解体新書』の翻訳となって結実した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

さつまいもの原産地

もともとは、原産地はメキシコやペルーなどの中南米と言われており、大航海時代にヨーロッパに持ち帰られるなど、様々なルートで地球上に広がりましたが、日本には約 400 年前に伝来しています。中国福建省から琉球に伝わり、それから現在の鹿児島県に伝わったとされています。九州ではさつまいものことを日本に伝来した江戸当時の「外国から来た芋」を意味する、唐芋(からいも)という呼び方をするのも外来作物であるためです。そして今、さつまいもは世界でも、美味しくヘルシーな農産物として、改めて評価されています。東南アジアのタイやシンガポールなどでも人気がありますし、アメリカではハンバーガーのサイドディッシュにフライドポテトとして提供されている様子をたびたび目にします。日本からも三芳町のさつまいも農家さん達が、焼きいもを世界に紹介すべくパリや香港で活動されていたり、さつまいもをキーコンテンツにcafeを出店されていたり、時代がぐるっと回って新しい展開になり面白いなと思っています。

武蔵野台地の循環式農法

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そして、痩せた土地でも栽培できる作物として導入されたさつまいもでしたが、武蔵野台地の農家さんのご先祖達が開拓した荒野に植えた落葉樹は、やがて林となり北風から守るようになり、人々は木々の落葉を集め完熟させ、腐葉土として畑に継続して入れることで地味を豊かなものにしてきました。以来300年に亘り今も続く、落葉堆肥農法は先人の知恵であり、近年、地球に優しい里山の循環型農業として再評価されてもいます。日本農業遺産に認定されていますが、世界的にも珍しいこの取り組みは、世界農業資産に値するものと僕は思っており、自分が生まれ育った地域の誇りのようにも感じていたりします。

江戸の焼き芋

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砂糖が貴重だった江戸時代には安価で甘くて美味しい江戸の町人の楽しみとして「焼き芋」がすでに大人気でした。川越は新河岸の舟運があり、重い物を大量に運搬できたことから、江戸の街にさつまいもを供給する大産地になっていきました。川越産は本場ものとして、

・川越が江戸から十三里(約52km)のところにあること

・「栗(九里)より(+四里)うまい十三里」という洒落

が江戸っ子にうけて評判を呼びブランド化していきました。

ちなみに、六本木に芋洗坂という地名がありますが、この近辺は江戸時代に芋問屋 が多く軒を連ねており、芋を洗う姿が見られたことに由来するとされています。

ON AIR SONGS

今週も酒杯をかたむけつつ飲んでいただけるような二曲を。

長谷川白紙「あなただけ」

Des'ree 「 You Gotta Be」


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