WEBと印刷 - 色のしくみ 01 -
RGBとCMYK
こちらの略語がわかりますでしょうか。
プロなら答えられますよね。
R = Red
G = Green
B = Blue
C = Cyan
M = Magenta
Y = Yellow
K = ???
何をいまさら、今の時代ググれば誰だってわかるよ。
ですよね。だからデザインを仕事にされる方なら「当たり前」
では、何故私がこのネタを書くに至ったかと言いますと、、、、
Twitterを始めました。
それは将来実店舗でクリエイティブを身近に体験できるお店をしたく、
賛同してくれる方や講師として参加してくれそうな方を探す為でした。
ただ自慢ではないですが全くフォロワーのつかない閑古鳥の状態です。
だから、人気のある方が講師になって頂くと良いかなあと思いフォロワー数の多い方を追いかけていたのですが、クライアントも制作側もプロの目を持った人間が集まる現場で求められるデザインと世間が想像するデザインのズレを感じました。あくまでも私個人の感覚になるのですが、、、、。
・秋の色集めて見ました
・知ってた?印刷にはトリムマークが必要です!!
・これで編集が100倍早くなる!!
・<div>タグはブロック要素だよ
デザインというよりは作業効率化の方法を伝授した作業員育成の内容が多いいと感じていたのですがそんな中で一番気になったのは、
ロゴデザインを RGBのみ指定している投稿が多かった。
ある投稿には5000近くいいねがついていました。
他のwebデザイナー志望者の方はロゴデザイン受注しましたとご丁寧に仕様書をアップされていたのですがそれも色指定がWEBカラーのみ。
それらを観て最近映像やRGBの仕事ばかりしている自分は印刷会社もRGBに対応した?のか?自分が取り残された?と思い先ずはググりました。
そこには、RGBで作成したロゴをCMYKに変換する方法と題したページがあり記事の記載は2016年と。
印刷でもRGBの色表現が出来るようになったのか?
結果はやはり出来ません。
物理的に無理です。
という経緯があり
発信される知識が浅いのは受信者が深堀するキッカケにもなりうるから良いのですが、嘘を教えるのはダメだよな〜と思ったのです。
特に独学系のwebデザイナーは現場経験がなく周りに聞ける人がおらず、経験不足からインフルエンサーのSNSが間違っているかどうかを判断できずに更にその間違った情報を広めていく。
そしてその間違ったデザインをお客さんへ提供する。
↑これが一番不味いなあ〜と思ったからです。
RGBとCMYKの差
さてと、本題に入ります。
先ずは、理論上ですが色数の検証です。
RGB(8bit) 2の8乗= 256
R = Red = 256階調
G = Green = 256階調
B = Blue = 256階調
そしてこの3色を掛け合わせて
256 × 256 × 256 = 約16,700,000色が表現できます。
では、印刷は何色表現出来るか?
CMYK
各色 0 ~ 100%までの101
C = Cyan(シアン) = 101階調
M = Magenta(シアン) =101階調
Y = Yellow(シアン) = 101階調
K = ???(キープレート) = 101階調
そして4色を掛け合わせて
101 × 101 × 101 × 101 = 約104,000,000色が表現できます。
色数が多い分印刷の方が沢山色が表現できる。
ただし、理論上はですが。
印刷は紙の裏にインクの裏写りがしないよう瞬時にインクを乾かす必要がありCMYKのインク量は合計で300%までしか使用しません。
(例、C100、M100、Y50、K50とすると 100 + 100 + 50 + 50 = 300←これが301以上はダメということ)
この時点で色数が約1,030,000色まで減りRGBほど色を表現できません。
そして人間の目が色差を認識するには限界があり色の違いを認識できるのは
約8,000色と言われています。
16,700,000 - 8,000 = 16,692,000色
この色差は4色印刷では表せない色です。
これはどう言う事かと言いますと
モニターで見ている色は印刷では表せない。
RGBで作成した色は印刷のインクに変換すると表現できない色が現れます。
ご覧の通り色が変わりますよね。
いやいや、そんな事ぐらい知っているよ。
だから、RGBをCMYKに変換する方法をブログにしているんだよ。
と解決法を丁寧に記載されている方がいます。
がしかし、その投稿を観ているとすべて
似せる
でした。
そりゃあ、そうですよね。
16,692,000色も表現できない諧調があるのですから。
そして変換後の数値を見たら小数点が、、、。
例 C 49.867
M 63.686
………
製版(インクの塗り具合を点で表現する印刷用のプレート)を作成する際
小数点は切り捨てられます。
こう言った印刷の知識がない人が一生懸命RGBで作ってしまったものをCMYKに変換しようとして無理くり似せる事が出来ました。
と言い訳をHPに記載している訳ですが、実際似せてるだけで同じではないです。
これがどう言う事か?
いや〜似てるから良いでしょう?
では済まされません。
クライアントはその仕事にお金を払います。
例えばロゴデザインは
企業としてお店として顔になるシンボルです。
作成しました。
印刷したら色が沈みますね。
でもまあ、似てるから良いでしょう?
ってなります?
ロゴデザインって
webはもちろんですが、チラシやDMハガキ、お店ならメニューや暖簾に箸袋、印刷が必要な場面って必ずありますよね。
そんな中webと印刷で印象が違うってありですか?
お客様の事、その企業の将来を考えるとノーの言うと思いますが、それでも良いという人もいると思うので答えは読者のみなさんにお任せします。
まとめ
今回は色の基礎の中で色数についてお話しさせて頂きました。
RGBやモニターでの色数は聞いた事があったかも知れませんが印刷に使える色数は余り意識されてない気がします。
実際WEBデザインーの方から画面上では綺麗だったのに印刷したら違ったという相談を頂いたりもしました。
WEBのお仕事でのHPのデザインから派生してロゴマークやチラシを作成する事もあると思います。そのような時でも最低印刷で表現できる色の知識は入れておいた方がよいと思います。
もちろん色の知識が入っていると紙面や画面上で色のコンロールがし易くなるので覚えておいて損はないです。
制作物がどの様な環境で誰に使われるのかを考えてから制作する事はとても大切です。その経験がない方はカスタマージャーニーやペルソナというツールを参考にするのも良いと思います。
次回は
色の仕組み02- 寒色と暖色と言われる理由 -
をお話しさせて頂きます。
暖色というけど見ていると本当に暖かくなるのか?
もし、色について後回しにして放置しているデザイン就学者やデザイナーと名乗っているけど実は色の事わからないという方は、私のnoteをこっそり読んで知識を得て頂ければと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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最後にいつもお世話になっている制作会社のプロデューサーに
私が
「最近はロゴデータもRGBで大丈夫なんですかねえ?◯◯さんのところでもRGBで対応していますか?」と伺ったら
P:「おおはらさん何言ってるんですか?RGBでロゴ作る訳なないでしょ。うちの若手にだってそんな奴いないですよ」
さらに
P:「動画作ってもらう際にうちがお渡ししている企業ロゴデータがRGBでした?」
私:「いやCMYKでした」
私:「ですよね。当たり前ですよね」
P:「当たり前でしょ」
私:「はい、すんません」
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