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ビデオはOFFでいい?! 身勝手な研修講師に活!

私が企業内の人材育成に関わるようになって25年ほど経つ。
その間、ずいぶん前から気になっていた田中淳子さんがこんな記事を書かれていた。

私なんかよりもずっと経験も実績もある淳子さん(田中淳子さんの後輩だった元部下がそう呼んでいたので、私も勝手にそう呼ばせていただいている)に視野を広げていただいた気持ちがした。

どこがかというと、「ビデオはOFFでいい」という話。

ちょっと衝撃。「え?!まじで?!」と、正直たまげた。
「目からウロコ」とはこのこと。

なぜなら私の提供するオンライン研修ではこれまでずっとビデオONだったから。
唯一、個人ワークの時にだけ「OFFにしてもいいですよ」としていた。

ビデオ会議ではビデオはONにしないと意味がない(これ、持論)。
同様に、研修でもビデオは当然ONにしておくべき、と考えていた。

また、集合研修では講師は受講者の前に立ち、受講者の顔が見える状況で話している。
それに慣れているし、自分の話に対する受講者の反応も知りたい。その反応次第では進め方も変える。だから受講者の顔は見えていたいのだ。

でもこれは講師の身勝手な理由だったのかもしれない。
記事の中で淳子さんは以下のようなことも紹介してくれている。

学習の動機付けモデルARCSの中に「コントロールの個人化」という項目があります。自分のペースで参加できる、自分の判断、選択で学べるということが学習のモチベーションを上げるということにもつながるのですが、ビデオもチャットも使う使わないは、個人で判断できるようにするとよいと思います。

個人の判断。それはそうだ。講師に気を使う必要はない。
まったくもって頭が下がる。考え方が成熟した大人だ。
また、自分が講師としての利己的な理由で受講者を縛っていたかもしれないと考えると反省しきりだ。

テレワーク時代の研修スタイルの変化の中では、受講者の受講スタイルも変わっていいのかもしれない。
いや、変わって然るべきだろう。

私が関わっている研修会社の講師の中にも「受講者が見えない」「何をしているかわからない」とコメントしている人がいるが、それは自分の不安を解消したいだけであって、受講者の立場にたった意見ではないな、と気づく。
そう言えば「反応は大きく!いつもの3倍で!」とか言うのも、講師に対して配慮することを受講者に強いている気がして好きではなかったが、ビデオONを強要するのも同じだ。

ビデオをOFFにするということはラジオの様に一方的に話し、情報提供することになる。
面と向かっているときにはそれはおかしな気もしたが、テレワークならいいではないか。
自宅で受講している人もいれば、ソファに座ってくつろぎながら受講している人もいるかも知れない。
そんな風にリラックスして研修に参加できるというのはテレワークの特権である。

研修における講義部分はそんなスタイルでもいいじゃないか。

自分の中で視野が広がり、そんなスタイルをどこかで試してみたくなった。
そして、自分自身の受講者中心の研修づくり・研修運営に関して、気を引き締め直すきっかけになった。

淳子さん、ありがとうございます。


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