見出し画像

適当でいいからと言われたものを引き受けてはいけない理由

よくクリエイターさんたちが、DMとかで無償の依頼をしてくる輩がいる。と書かれているのを見て「そんな輩がいるんだ」と思っている側なのだが、私自身は無料で何かを依頼されたことは無い。(ほぼ素人なのに)

いや、厳密に言うと無いわけではないが身内に限るし、
私自身が身内の力を借りることの方が多いため、その辺は逆に私の方がやってもらっている側である。
例えば、私の母は私の描く絵が好きだ。
それはありがたいのだが、時々とんでもないものを頼まれることがある。

例えば実家に飾るカフェカーテンに絵を描いてほしいだとか言われるわけだが、
「ちょっと適当に描いてくれたのでいいから」といつも私に言う。

「何を書くの?」
「塩と胡椒」

厳密に塩と胡椒を描いてほしいという意味でないことくらいは分かる。
そのまま書いたら点々だし、判別はつかないだろう。という訳で私は適当に塩と胡椒の容器を描き、ソルトのSとペッパーのPを容器に書いた。

最近断捨離を進めている母はようやく私の適当絵を処分したようだが、実家に行くたびに雑に描いた絵が私に羞恥プレイを強いてくるので、いたたまれない気分だった。

私とは比にならないと思うが、クリエイターさんたちも甘言にそそのかされて、適当にササッと描いたイラストを誰かに差し出し、それが自分の絵だという事を広められてしまった暁には、ひどい恥辱だろうなと思う。
それにさらに「あの人は無料で描いてくれる」という文言まで付いてきた日にゃ……その辛さは察するほかない。

身内ならともかく、その作品の処理を他人にゆだねるようなもので
適当に仕上げることは、クリエイターさんの立場を危うくするものだと思う。
利益も無く評判も落とすようなことはしてはいけない。
例えクオリティが高かったとしても、その高いクオリティで無料で描き続けるのは無理だろうし。


ともかく自分をすり減らしていいことなんて一つもない。
それだけは断言できる。
ま、私は母に頼まれたら嫌がりながらも描くのだろうけども(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?