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【創作論】巧妙なウソにはかなりの割合で真実が混じってる

小説を本格的に書き始めてから、五年が経過した。
と言っても40過ぎて書き始めたので遅咲きも遅咲きである。

思い起こせば私は3歳ごろまでほぼしゃべらない子供だったらしい。
が、親の心配をよそに3歳過ぎたら堰を切ったようにしゃべり始めたのだとか。
もしかしたら小説もそんなものかもしれない。
昔からよく本を読んでいた子供だったので、いつかは何か書いてみたいと思っていた。本を作る事にも憧れていた。
詩を書き、短歌を作り、その世界からはみ出した物語を書きたいと切望した時に、お話が生まれてきたのだ。

だからと言って堰を切ったように物語が生まれているという訳でもなく
創作活動はぼちぼちといったところではある。
(たまにエモい設定が出来上がって、2週間で7万文字を書き上げたこともあるがごく稀である。ちなみにビューティフルワールドという溺愛系BL小説である)

そんな中で、自分を主役に書いている作品(恋愛小説)があり、
(紙上最高の恋というお話)
私が作った本では(アンソロジーを除いて)二番目に売れた本だった。
そもそもの話なのだが、16歳も年下の若い男子と恋愛するという設定が
かなり無理のあるものなのだが、おかげさまでいろいろ感想をいただき
かなりリアルに楽しんでいただけたことがわかった。
もしかしたら……あるかもしれない?と思わせるような書き方だったり、
真実をいい感じにまぶしてあるところが
リアリティにつながったのかもしれない。

何なら2割くらいしか創作は混じっていない。
(しかしその2割がデカいんだが)
憑依して、いかにもありそうなことを想定し、その流れで書いていくと
心情的にはリアルなものが書けるんだなと思った次第である。

とはいえプロでもなんでもない私が偉そうに言うのもなんだが、
私の友人たちにはプロの作品は読めないが、私の書いたものなら読めると言ってくれる奇特な方が多く(ビジネス書しか読めないけど、私の小説は読めたと仰ってくれる向きも多い)嘘っぽくない、恥ずかしくない(言い回しが)というのは意外と大事で、ちょっとでも気恥しい言葉が混じっていると感情移入できないという人もいる。
(そういう人はたぶんエッセイなら読めるのだと思う)

言葉のセレクトを身近なものにするという事で
虚構と現実の間を埋めて、しらけさせないようにする工夫が必要なのかもしれない。
いかにも作り物と思わせるのは損だし、真実に寄せていくことが大切だと思っている。


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