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COVID-19

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#COVID19

東京都の新規陽性者数の動向 年代グループによる傾向の違い

東京都の新規陽性者数の動向 年代グループによる傾向の違い

 今年に入ってから今週末までの、東京都新規陽性者の動向です。左のグラフように、ゆっくりですが減少傾向です。前の記事にも書きましたが、感染力の増加、再感染、子ども→成人への感染の増加などが影響しています。真ん中と右は年代別のグラフです。右はY軸が対数目盛です。これまでと同様、10歳未満が多く、また減少が遅いのがわかります。

 次の図をみると減少の仕方によって、3つの年代グループに分けられることがわ

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オミクロン株に対するT細胞応答 ー 抗CD20モノクローナル抗体で治療中の多発性硬化症患者での研究 ー

オミクロン株に対するT細胞応答 ー 抗CD20モノクローナル抗体で治療中の多発性硬化症患者での研究 ー

 今日はこの論文をご紹介します。少し免疫について復習したあと、論文の解説をいたします。この論文から得られるいちばん重要なメッセージは、抗体が作られない状況でも、ワクチンによって新型コロナウイルスと戦うT細胞ができるということです。しかも、抗体より長続きするようです。

抗体が減少すると?

 ワクチンによって作られた中和抗体が血液中にたくさんあると、侵入してきたウイルスが抗体により排除されるため感

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オミクロン株はなぜ病原性が低下したか

オミクロン株はなぜ病原性が低下したか

オミクロン株の病原性の低下の理由が少しずつ解明されつつあります。この論文ではウイルスの変異によってTMPRSS2という酵素のはたらきが低下することが原因ではないかと推測しています。

コロナウイルスは大きく分けて二つの方法で細胞に侵入します。

ひとつはACE2と膜貫通型セリンプロテアーゼ2(TMPRSS2)を介する方法(画像のa)。スパイクタンパクはS1とS2という二つの部分からなります。まず細

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アメリカにおける新型コロナウイルスワクチンの効果

アメリカにおける新型コロナウイルスワクチンの効果

米国をはじめワクチン接種が進んでいる国でも患者が増加していますが、ワクチンが効かなくなった?いえいえ、結論を出す前にしっかりデータを吟味する必要があります。

米国の2日前の州別のデータです。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のホームページからとっています。

上段がワクチン2回接種率、中段がここ1週間の死亡者数、下段がここ1週間の新規感染者数です。わかりやすくするためにモノクロ画像にしていま

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