レッテルの落とし穴
人は色んな肩書きや役割を持っている。
でも、それに囚われて、その人の本質を見誤ってしまうことが多い。
男だから、女だから、親だから、先輩だから、年下だから、血液型〜型だから、〜座だから…
これは、ラベリングと言って、ある程度の枠組みでくくることによって、脳の情報処理の負担を軽減することを目的として、人間に備わってる機能でもある。
これがないと、あらゆる事をいちいち詳細に検証して判断しなきゃいけないから、日々の生活をスムーズに送るためには、不可欠な能力とも言える。
でも、この無意識に作動する機能が、実は問題を引き起こす。
統計学によって、ある程度一般化された人物像や性格を、盲信的に受け入れることで、枠組みから外れる特徴的な人の本質を見誤ってしまう。
「でも、そんな変人、少数派でしょ?」
って思うかもしれない。
それこそが落とし穴。
世の中で一般的に受け入れられてる、「普通」って価値観は、ただのまぼろし。
社会的な動物である人間の、「仲間ハズレにされたくない」心理を、巧みに利用した仕組みにハメられてる。
そういう人達が、1番怖れるのが、異端児とかイレギュラーなこと。
幼い頃から、親や先生や社会に「普通がいい」という価値観を、刷り込まれる。
タチの悪いことに、伝えてる人も、その問題に気づいてない。
普通の人なんて、そもそも存在してないのに、あたかも絶対的な存在かのように、信じこまされる。
1人1人が、特別で、異なる才能や資質を持って生まれた、スペシャルな存在なのに。
ラベリングの威力が脅威なのは、そのことを受け入れると、自己暗示によって、自分自身をその枠組みに合うように、自己誘導していってしまうこと。
本当は違うのに、認められるために、親や友達に求められた姿に合うように、自分自身の姿を歪めて、本心をゴマかすようになる。
そのことが習慣化することで、自分を偽ってる認識すらなくなってしまう。
でもずっと、心の奥の方で、そのストレスを感じ続けてる…
そういうものを、程度の差こそあれ、みんなが抱えてる。
この問題が深刻なのは、無意識を意識することが難しい点にある。
でも、難しいけど、不可能ではない。
「心に正直に」とか、「感じることを大切に」とか、「あるがままの自分を受け入れる」とか、「違いを認め合う」っていうことが、その流れを変えるきっかけになる。
あなたがあなたらしくいることを、あなた自身が認めてあげることが、始まりの一歩になる。
たったひとつの水滴が、波紋となって広がっていく。
そうやって変化の波は世界に浸透していく。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?