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まだうまく言葉にできない、マイプロジェクトって何なのさ。【後編】

なぜか長くなったnoteの後編。

高まる協働と素直さの功罪

こちらは、山崎さんから「今の大人は近代を生きてきた」という言葉から感じたこと。

世の中的に探究が進むにつれて、他者との協働事例も増えています。プロジェクト単位でフォーカスすれば、全国Summitに出場するプロジェクトでは「関わった他者が100人以上」なんてものも”ざら”でした。

何となく感じている近年の変化として、若者の素直さって高まっているんじゃないかと思うのです(こちら肌感覚ですみません)。大人との信頼関係(大人を自分たちの近くに置く感覚)って醸成されつつある世界だと感じたりもするわけで。

であるとすれば、その世界は良くも悪くも、大人が言っていることを聞き過ぎるリスクを孕んでいるとも言えるんじゃないかなと。

今の大人は近代を生きた(近代教育を受けてきた)存在なので、当然、その経験から言えることの全てが、現代でも再現性や適応性をもつとは言い切れません。それでも、若者が大人の言葉を素直に受け入れ過ぎた場合、彼らのプロジェクトが現代にそぐわないものになる可能性もあるし、もっと言えば、色んな人の意見を飲み込んだ結果、支離滅裂になったりするかもしれません。(商品開発でもこういうことってありますよね。笑)

なので、若者側からすると、大人から言われたことを聞き過ぎないこともまた大切なんじゃないかなと。また一方で、大人側からすると、

そのメッセージはどの目線に立ってのものか

を明らかにしておくことって大事かも、と思うわけです。今考えられる目線パターンは2つ。

①社会を本質的・客観的・普遍的に捉えようとする目線(相対的・汎用的)
②自分の経験知としてのmy storyを語る目線(絶対的・個別的)

①の社会観はどこまでいっても相対的(変質可能性がある)なので、「自分もまた探究中で、今はそう考えている」と仮説っぽく伝える、みたいな。その意味では、ずっと言われている「大人も探究者たれ」みたいな感覚はここで効いてくる気もします。

②は言わずもがなですが、「あくまで個人の話」だとすることですね。

この切り分けがあると、大人からのメッセージをどう吸収していいかが少し分かりやすくなる、かも?笑


オンラインの没入感

最後に、少しマイプロジェクトそのものからは外れて。オンラインのコンテンツってこれまで(どちらかというと)没入感薄かったんですが、今回は違ったと思っていて。

この3日間、歯茎が炎症起こしてて(特に夜とか)めちゃ痛かったんですが(笑)、思い返せば、全国Summitの最中はその痛みを全然感じなくてw
きっとアドレナリンみたいなものが分泌されてたんだと思うんですが、その没入感や集中力って、何が要因だったんだろうなぁと。

僕の歯茎の感覚はさておき、高校生の参加満足度も高かったんですよね。あのオンライン世界って、どう解釈したらいいかなぁって思うわけです。

ハレとケのどっちだったかすら、まだ分からないです。そこで表出される高校生の立ち居振る舞いは、限りなくハレ(非日常)っぽい感じもありながら、そこに纏う空気感や安心感はケ(日常)っぽい。

この世界、どこかにモチーフがありそうな気もするので、しばらくはモチーフ探しかなぁと。

かなり余談になりますが、フルオンラインの運営は、場(zoom)の進行を行いつつ、運営・ファシリサイドでチャット(メッセンジャー)やりとりをする世界で、例えば『境界線上のホライゾン』みたいな、リアルの会議・交渉進行と副音声的オンラインやりとり(仲間内)が同時進行する世界と近似するイメージ。(本当に余談である)

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マイプロジェクトって何なのさ

答えは、今の僕にはまだ分かりません。笑

あえて答えを出すなら、ここまでまとめてきた言葉をまるっとそのまま感覚にした感じです。

探究行為の本質という視点からマイプロジェクトを説明するなら

答えを欲しがる世界に、分かりにくいままで在るもの。

なのかもしれません。ゆえに、誰かに伝えにくい。既存の言葉では、まだその端から端までを表せられない。

だっぴもそうかもしれませんが、素因数分解が複雑すぎて、感覚で説明できるけど、分かりやすく言えない感覚。

端的に説明するなら「214,783,338」なんだけど、「だいたい200,000,000だよね」みたい解像度低い概数で伝わって微妙にずれる。「2×3×7×11×17×23×29×41」で説明すると、要素多すぎて理解しきれない、みたいな。笑

もっというと、17って何だっけ?に対して、17を記号化し過ぎない感覚なので、余計に分からない。笑

でも、それが「心」なんじゃないかなぁ。

あ、最後に、それでもたしかに言えるのは、

良い問いは、周りの人たちの心を動かし、良いつながりと化学反応を生む。その衝動的な反応と冷静な省察から、また新たな良い問いが生まれる。

どのプロジェクトにもそれがあったこと、とても素敵。僕も見習おうと思います。

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