「0.1%でも興味があれば、成長できる場所」ゼミ生インタビューvol.1 富岡恒介さん
自分らしい地域とのかかわり方を模索するオンラインゼミ「滋賀ゼミ2020」。
2020年は、滋賀県の「高島市椋川」と「多賀町」を舞台に8名のゼミ生が参加し、地域に向き合い、アイデアを考えました。
この記事では、ゼミの参加者にインタビューをして、「ゼミを受けて、どう変わったか?」それぞれの視点での気づきを深掘りしていきます。
第1回目
富岡恒介さん(22歳)
滋賀県大津市出身・仙台在住
現在は東北大学工学部でバイオ工学を専攻
ー今回、滋賀ゼミに参加しようと思ったきっかけは何ですか?
以前から滋賀県庁の広報メルマガに登録していて、滋賀ゼミの案内がきたのがきっかけです。
滋賀ゼミのキックオフが東京であったのですが、別件でたまたま東京に行くタイミングとかぶったこともあって。大学生だと、なかなか社会人の方と会ったり話をする機会が少ないので、「せっかくだし」という気持ちもあり、キックオフに参加しました。
ーキックオフで印象に残っていることはありますか?
僕自身、滋賀県の大津出身で、どちらかというと都会に住んでいました。「滋賀県」というと、大津や草津の街が栄えたイメージを持つことが多いですが、そうではない椋川の地域の話を聞いて、何かしないとだめなのかも、と心に響きました。
▲キックオフの様子
ー以前から地域に関わることがしたいという気持ちがあったんですか?
大学の研究以外に、「何かしたい」という気持ちがずっとありました。なので、最初は「まずは滋賀ゼミに参加してみよう」という気持ちでしたね。
大学での研究テーマが「地方に関する状況を自分で調べて、提案する」というものなので、滋賀ゼミともリンクしていたと思います。
全てが初めての経験だった滋賀ゼミ
ーゼミを受講をした感想を教えてください。
キックオフから発表まで、全てが初めての体験だったので、とにかく新鮮で刺激的でした。
大学では理系の分野を学んでいるため、フィールドワークもアイデアを考えるということ自体なかなか経験としてなかったので、全てが初めてでした。
ー今は仙台にお住まいだと思うのですが、その中で滋賀県に来てフィールドワークに参加するのは大変ではなかったですか?
もともと旅行が好きなので、苦ではなかったです。
青春18きっぷを使って出かけるのが趣味で、日本では奈良県以外は全て訪れたことがあります。フィールドワークの帰りも青春18きっぷを使って帰りました(笑)。
大学の研究でも、様々な地域について調べることがあるのですが、自分が旅行で訪れたことのある地域のことは、どういう場所なのか想像しやすいです。今思えば、研究と趣味の旅行は通ずるところがあったのかなと思います。
ー椋川の地域でフィールドワークで印象に残っていることはありますか?
1番驚いたのは、椋川では予約をしないとバスが来ないことです。椋川の地域は、おばあちゃんの家の地域の雰囲気と似ているのですが、その地域ではバスがちゃんと来るので。椋川の地域は、こんなにも人口が減っているんだということを肌で感じて、とても驚きました。
▲椋川でのフィールドワークの様子
自分の小学生の頃の体験をもとに考えたアイデア
富岡さんは、小学生をターゲットとしたアイデアを考えました。
子供の頃に椋川の雰囲気や生活を体験することで、大人になった時に椋川のことを思い出してもらい、移住につなげたい、というものでした。
▲富岡さんのプレゼンテーション資料
ーこのアイデアが浮かんだきっかけはありましたか?
フィールドワークの最中に、宿泊施設に20代の若者が何人かいるのをみました。「若い人たちも高島の山奥に行くことがある」ということが分かったので、もっと若い人たちを呼んだ方がいいんじゃないかな?と感じたことがアイデアのきっかけでした。
ー「子供のころの体験は人生に影響する」富岡さんも幼少期にそういった体験はありましたか?
僕が小学生の頃、大津の桂川に校外学習で行ったんですけど、その時食べたあゆの塩焼きがとても美味しかったのを今でも覚えています。
今回のアイデアは、自分の小学生の頃の体験がもとになっています。
自分のアイデアを大事にしながら、自由に表現できたプレゼンテーション
ーゼミを通して、印象に残っている出来事はありますか?
滋賀ゼミ全体を通して、「こうでないといけない」という決まりが無かったので、自由に自分なりにアイデアを進めていきました。
滋賀ゼミの期間、運営メンバーの方に色々なアドバイスをもらったのですが、その中でも講師の岩嵜さんのお話がとても印象に残っています。
▲岩嵜博論さん 博報堂 ミライの事業室 ビジネスデザインディレクター
岩嵜さんがオンライン講座の中で、「自分のアイデアを大事にしよう」ということを言っていました。発表会の前も、「適当にするのは良くないが、こうしたいという考えがあるのであれば、どんなスライド・どんな発表でも大丈夫」と。
▲オンライン講座中の様子
「発表の時は、楽しむことが1番だよ!」と言われたのも大きかったです。そのおかげもあって、自分なりにプレゼンシートを作ることができました。
実際に自分の五感を使って気づいた「気づき」
ー今回、ゼミに参加してみて、滋賀県のイメージに何か変化はありましたか?
ゼミに参加する前は、滋賀県は、日本全国で見ると人口が増えている県なので、高齢化は進んでいないのかな?と考えていました。ですが、今回実際に椋川に行き、自分の目でその場所を見て、自分にの認識が間違っていたことや、滋賀県全体で見ることと、ひとつひとつの地域で見ることの違いに気がつきました。
ー自分自身に何か変化はありましたか?
広い視野で、多角的に物事を見ることの大切さを知りました。今までは、自分の中で「これはこういうのに違いない」と決めつけることがあったのですが、本当にこれはAなのか?BやCという考え方があるんじゃないか?と考えるようになりましたね。
はじまりは些細な好奇心。0.1%でも興味があれば、成長できる場所
ーたくさんの学びがあった滋賀ゼミ、どんな人に参加してほしいと思いますか?
僕自身、滋賀をどうにかしたい!という思いで参加したわけではありません。そんな僕が言えるとしたら、何か強い気持ちがある人じゃなく、「何かしてみたい」とか、0.1%でいいから、少しでも興味がある人が参加してくれたらと思います。
最初のきっかけは、軽い気持ちでいいと思います。ゼミの半年を通して、いろんな人たちから刺激や気づきをもらって、成長していくことができるので。
僕も、最初は怖かったです。他のゼミ生のレベルが高く、自分の経験の浅さで迷惑をかけたり、邪魔になってしまうのではないかなと不安でした。
でも、実際参加してみるとそんなこと無くて、あたたかく迎え入れてもらえました。なので、安心して参加してもらえたらと思います。
ーありがとうございました!
自分の経験に基づいてアイデアを作った富岡さん。
富岡さん自身が、普段から五感をフルに使って、様々な地域を訪れるということをしていたからこそ、「椋川の生活を体験する」という、座学ではない体験にフォーカスをあてたアイデアが生まれたんだと思います。
インタビューを通して、富岡さんの中で椋川地域と自分の中にある考えがうまくマッチする瞬間があったんだろうなと感じました。
これからも応援しています。富岡さん、ありがとうございました!(インタビュー・テキスト 南 歩実)
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