ドライブトラブル in イスラエル ①②
2019年3月15日
①
暇話を一つ。イスラエルでドライブに出かけたら、カラフルな登り旗がたくさん立っている駐車場があって、戦車が沢山止まっている。これが話に聞いた戦車博物館かと車で入って行ったら、実は本物のイスラエル軍の基地で、軍人さんがライフルを構えて出て来て、とてもビビリました。
実はこれは、ガザ地区に近接する場所での話です。興味本位で、ガザとイスラエルを分離する緩衝地帯を車で走りました。そこは砂漠の中の一本道で、車も人も全くなく、不気味に静かで、時折イスラエル軍の監視塔のようなものが立っていました。走って良い道なのかどうかも分からなかったのですが、特に進入禁止の標識もなかったので、恐々ながら歩くようなスピードでドライブを楽しみました。検問所のあるゲートを見つけたので、しばらく停車して躊躇した後、そろりそろりと近づいてみました。数人のイスラエル兵士が怪訝そうにこちらを見ているのが確認できたので、「肝試し終わり」と心の中で吐いて、Uターンして元来た道を戻りました。そしてとりあえず小さな冒険の成功に満足感を覚えつつ、幹線道路に戻りました。その時にカラフルな登り旗の立つ駐車場を発見したという訳です。そんな場所に博物館などあるはずないのですが、おそらく緊張が解けた直後だったので、頭がぼーとしており、そのような思考と行動に至ったものと思われます。
本当の戦車博物館は、全然別の場所にあって、観光ブックにも載っています。
②
あれは初めてイスラエルを訪れた時のこと。ドライブの途中道を失って、閑静な住宅地に迷い込んだ。そこは人も車もおらず、信号機も点いてない、物音のしない異様な雰囲気の町だった。しばらく走って、やっと出会った通行人に、車の窓を開けて道を聞こうとした。すると、あからさまな拒絶の態度を見せて、「話しかけるな、あっちへ行け」という感じで、足早に歩き去ってしまった。
不安を感じながらさらに進むと、何やら人が集まっている集会所らしき場所を発見した。再び道を聞こうと車を降りたら、わらわらと子供達が寄ってきて、敵愾心むき出しで何やらわめいてくる。ヘブライ語だから意味は分からないが、少なくとも歓迎されていないことは明らかだ。大人達は黙って冷たい目で私を見ている。さすがに怖くなって、元来た道を戻って街を出た。
イスラエルには、特に敬虔なユダヤ教徒だけが住む街があって、そこでは安息日に人間も車も働いてはいけないということらしい。
知らない土地でいきなり集団から迫害されると、理由も分からないし、そのような経験もないので、何が起こるか予想もつかず、なかなかの恐怖を感じる。でも貴重な体験をさせてもらったとも思う。
ちなみに安息日のことをヘブライ語でシャバットと言って、イスラエルでは金曜の正午から24時間、都市部でも大多数の商業施設が閉まります。
ホテルの朝食も作り置きの簡素なものになります。面白いのは、数台あるうちの1台のエレベーターがシャバット用になっていて、各階止まりになって勝手に一日中動いています。敬虔なユダヤ教徒は、シャバットの間、機械を働かせることが出来ません(ボタンを押すことが出来ない)。よって勝手に働いているシャバット用エレベーターを使うということらしいです。
読んで頂いてありがとうございます。