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仮想通貨がインターネット詐欺の手口として使われる3つの理由

第13回の放送は、情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況から「仮想通貨で金銭を要求する迷惑メール」が少し増えているというニュース記事の解説でした。なぜサイバー攻撃の対象として仮想通貨が狙われるのかについても言及いただきました。

ニュース解説

こちらのニュースを解説いただきました。

―松野)国の機関にあったセキュリティの相談件数に関する記事です。今四半期の相談員対応件数は1770件とあり、1日に約20件の相談があったことになります。相談内容として最も多かったのが、「ウイルス検出の偽警告に関する相談」で、件数は394件とあります。全体の2割強です。これは主にホームページなどを見ているときに発生していると思われますが、例としては、まず自分が使っているパソコンがウイルスに感染したような嘘の警告を表示させ、あたかも善意の第三者を装って、これでウイルスを駆除できますよ、と別のソフトウェアをインストールさせるようなものです。そのソフトウェア自体が別のウイルスである可能性もありますので騙されないように注意することが必要です。

仮想通貨で金銭を要求する迷惑メールが前四半期から約2.5%増

記事内には昨今の相談内容に「仮想通貨で金銭を要求される」といった相談が増えている旨がありました。なぜ仮想通貨がインターネット詐欺の手口として使われるのかお伺いしました。

―松野)記事のなかで「仮想通貨で金銭を要求する迷惑メールに関する相談が41件で前四半期から約2.5%増」とふれられており、前四半期から唯一増えた相談として、仮想通貨に関わる手口が挙げられています。仮想通貨が狙われる理由としては3つほど考えられます。

理由1:仮想通貨がインターネットで利用可能なものである
所謂、円ですとか、法定通貨を盗もうとすれば何らかの形で物理的な接触が必要になることが多いかと思います。それと比較して、インターネットだけで完結する仮想通貨は逮捕されるリスクは少なくなるということです。


理由2:仮想通貨は匿名性が高い
先ほどお話しした円ですね、法定通貨を例えば銀行振り込みさせようとすれば、当然個人情報が必要とされるということに対して仮想通貨間でのやりとりに個人情報は必要とはされません。その匿名性がどのレベルかであるかは、世界中で数多くの仮想通貨取引所が盗難の被害にあっていると、その仮想通貨を取り戻せていないという現状が表しているかと思います。


理由3:換金性が高いものである
これは仮想通貨に限った話ではないですが、近年サイバー犯罪は、そういった金銭に直結した事件が非常に増えているように感じています。そういった意味では、クレジットカードも攻撃者のターゲットになりやすい情報になっていますが、仮想通貨は前に説明した2つの理由もありますのでクレジットカード以上に狙われやすい情報であることが考えられます。

見習いセキュリティエンジニア向け用語解説

おーはるさんのコーナーでは、最後に専門家松野さんからセキュリティ用語解説が行われます。今回はニュース記事内にでてくる「不正ログイン」について。こちらは、別マガジン「見習いエンジニアおーはるのセキュリティ用語集」に追加していく予定です。今後の公開をご期待ください。

さいごに

今回、情報セキュリティ安心相談窓口にどんな相談内容があるのか、または増えているのかなど、知ることができて本当によかったです。知ることで未然に防ぐことができる、少しでも被害がなくなることにつながると思います。こちらを読んでいただいたかたが、そんな事件が増えてるんだなと、頭の片隅にでも置いていただけますと幸いです。

今回の放送はこちらで聞くことができます!

記 にしもと