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兵站はすべてに通ずる

こんにちは。

今回は仕事でのことが書く動機にはなっていますが、仕事だけではなく、ゲームCall of Duty にも通ずるお話です。
非常に多方面に渡りますので、分けて話します。


動機になったのは、私の会社の上司(部長)の発言
「今の管理部門、人が多すぎると思うんだよね」
「管理部門は、金を生まねえんだよ」

その場は相槌をうっていましたが、内心怒りが沸々とという状況でした。
もちろん、私自身、通関という管理とまで言えなくても、いわゆるバック部門にあたる利益を生む部署ではないこともありますが。

あまりにもバック部門の重要性を軽視していることに、絶句です。


だから、今回バック部門の重要性を説くためにも”兵站”を使って話していきます。


兵站とは?

まず、兵站の言葉について説明します。”兵”という言葉がついているので、軍事用語になります。Wikipediaからの引用です。

兵站(へいたん 英語: Military Logistics)は、戦闘地帯から後方の、軍の諸活動・機関・諸施設を総称したもの[1]。戦争において作戦を行う部隊の移動と支援を計画し、また、実施する活動を指す用語でもあり、例えば兵站には物資の配給や整備、兵員の展開や衛生、施設の構築や維持などが含まれる[2]。

そう、ロジスティクスなのです。実は。簡単には、実際の戦闘を行う前線以外の”後方”を示す言葉になります。

なぜ、兵站なのか、どこが重要?

 ここからは少し歴史のお話です。戦争において、やはり勝ち負けに注目するのはもちろんですが、いかにして勝つかの勝利のポイントを考えたとき、何になるのか。

 兵士の個の能力なのか、有能な軍師・参謀による作戦、兵力差、装備、外交、軍の統制、機動力・・・・。様々なことが挙げられるでしょう。

 歴史から見て、勝利のポイントでないにしても、兵站が疎かでは大軍団でも崩壊します。そして、勝っている側は少なくとも兵站がしっかりしています。
 ローマ帝国は兵站最強格です。戦い自体そこまで強いかというとそうでもなく、負けも多い。ただ、街道を整備したことで、兵の動員・移動がスムーズとなり、常に戦力を前線に供給することができます。
 この点をさらに進化させたのが、モンゴル帝国です。遊牧騎馬民族であるモンゴルは、戦闘における騎兵の強さに目がいきますが、それは物資・兵力輸送の点でも、馬による輸送は優れており、ユーラシア大陸を跨ぐ大帝国を1世紀まではいきませんでしたが、維持しました。

 日本においても兵站については、様々な事例があります。戦国時代で最も兵站がしっかりしていたのは、間違いなく豊臣秀吉です。秀吉がというより、石田三成を始めとした五奉行が兵站を上手く行っていました。
 特に、小田原攻めは、大軍を動員した戦闘ですが、大坂から陸上・海上の両方で物資輸送を行い、長い期間の兵糧攻めでも維持して見せました。

 そして、兵站で負けた例では、第二次大戦です。
 日中戦争で、主要都市を落としたものの、重慶を攻めきれず長期化。連合軍の中国への補給を断つために東南アジアに侵攻します。当初は大成功しますが、維持し続けることができず、最終的に負けることになります。
 兵站の点では壊滅的でした。基本的には日本から供給するしかなく太平洋・東南アジア地域と補給線が伸び切っており、物資・部隊輸送が満足にできません。そして、アメリカによるオーストラリア方面からのグアム・フィリピン侵攻で、日本の輸送が断絶。日本軍は消耗し続けることになりました。

 このように、歴史の事例を上げましたが、戦争において兵站は基本中の基本なのです
 基本なので、それで持って勝ちにつながるわけではありませんが、基本が疎かだと、それで負けることがあるのです。

 兵站が貧弱なものが、生き残り続けた例はありません。最初は強くても、その強さを維持できず、消耗していくのです。


 上で挙げた 兵士の個の能力、有能な軍師・参謀による作戦、兵力差、装備、外交、軍の統制、機動力。兵站は作戦にも兵力にも、装備、機動力にも関係があるのです。
 実際の軍隊のうち、戦闘を行うのは多くても半分です。残りの半分は兵站を担う人員です。軍隊での比率でもわかる通り、戦闘と同等かそれ以上に兵站は重要なのです


現代における”兵站”  会社

 さて、軍事においての”兵站”でした。これをもっと一般的な話にしていきましょう。そうです。会社です。ここで、最初の動機に話を戻します。

 軍隊での戦闘部隊は、会社の営業(フロント部門)にあたるでしょう。そして、バック部門がまさに兵站と呼んでもいいでしょう。
 戦争ではないため、物理的に人や資産がなくなることはありません。だから、全く同じ訳ではないです。

 営業といいましたが、ここでの営業は新規顧客・案件の獲得や既存取引の拡大の為だけの活動と定義します。なぜ、このように定義するかというと”営業”といいつつも、”営業事務”に集中していたり”既存顧客・取引の維持”も”営業”を名乗る人間が行っていたりするからです。

 このように、定義するとおそらく営業を行っている人間は半分もいないはずです。営業事務も平行して行っているのであれば、新規営業に割く労力は同様でしょう。


 さて長い前振りは終わり、最初の話の、「バック部門が多すぎる」という発言に戻ります。

 私から言わせれば、営業ができるのは業務を維持しているバック部門がいるからこそでしょ。それを多すぎるというなら、もっと新規顧客・取引を持ってこい。という感想です。営業活動もする部長の発言なので、本当に腹立たしいですね。

 個人的な感想はともかく、バック部門が多すぎるからといって減らしてはいけません。
 会社は常に規模取引を拡大させようとします。利益追求が会社の本質です。いずれ取引量が増えるのであれば、バック部門はその分人数が必要なのです。だから、減らしてしまうと、取引量が増えた際にそれに対応しきれなくなります。軍隊においてもそうですが、人を他の部署から異動させるのではなく、人数を新たに増やすのはすぐにはできません。
 そうすると、新規取引のために既存業務が回らなくなり、悪循環に陥るという展開になります。そこまでいくと営業ができず”営業事務”の方に多くの時間を割く結果となります。


 業務量が過大であると起こりうる事象はここでは触れませんが、社員だけでなく、会社自体も損害を受けることになります。だからこそ、バック部門を軽視してはならないのです。
 バック部門は利益を生まないと軽視する風潮は意外と多いです。日本軍は兵站を軽視した結果戦争に負けたにも関わらず、現代もその教訓を活かされないのです。


Call of Duty にも兵站の考えを

 さて、急にゲームの話になります。戦争のゲームだから、戦争の考え方を転用してみようという試みです。

 ことCall of Dutyにおいて、純粋な意味での兵站は存在しません。Warzoneなどのバトルロイヤルなどは現地調達、略奪のため後方は存在しませんし、マルチプレイにおいても兵站の概念はほぼありません。

 ただ、兵站と同じ考えができるものはあります。それはリスポーン管理です。

 eスポーツでは基本オブジェクト(目標物)が存在します。リスポーン管理はオブジェクトに対して、有利なリスポーンを取る・維持することです。
 有利なリスポーンとは、オブジェクトに対して近いリスポーンを基本的に示します。

 オブジェクトルールでは、前線はオブジェクトの前後になります。その前線に対して近いということは、デスしてもすぐに戦力を前線に動員できることを意味し、前線の維持や攻勢に繋がります。
 兵站における兵力の動員が、リスポーン管理なのです。国家間の戦争ではないため、個の力が突出していれば、それだけで戦況を変えることもできます。ただ、強い個もリスポーン管理で脅威を抑えることも可能なのです。

 もちろん、eスポーツをやっている人間であれば、当然のことです。だからこそ、如何にリスポーン管理をするかというところが一つのポイントでもあり、相手と差をつけられるところなのです。CoD eスポーツで国内無敵のLV のリーダー sitimentyo 選手の強さは、リスポーンを知りつくしたゲームコントロールにあります。

 撃ち合いという戦闘だけでなく、リスポーン管理=兵站においても強い。これだけ並べると、モンゴル帝国みたいな感じですね。


最後に

 どうしても人間は華やかなところに目が移ります。ただ、それだけではだめなのです。兵站はすべてに通じます。長期間成功している組織は、兵站において優れています。

 ここで詳しく書きませんが、プロ野球の読売巨人軍の原辰徳監督も兵站の上手さが光ります。


 戦争は許される理由はないとは思っていますが、歴史の重要な部分を占めています。人の生死が関わってくるからこそ、そこから得られる教訓も多いのです。 

 今回は兵站を扱いましたが、同じような記事を続けるかは動機次第です。

長文になりましたが、ありがとうございました。


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