石炭、原油の影に隠れて、ロシア産禁輸措置がスタート

あまりに話題になっていないので、仕事柄周知の意味で書きます。

以下の内容には、ロシア関係の内容がありますが、現在ロシアが行っていることについて、賛成反対どちらかのの意見を表明するものではありません。


資源国のロシアに対する経済制裁として、

政府高官の対外資産の凍結、新興財閥オリガルヒの対外資産凍結、国際決済システムSWIFTからロシア金融機関の大半を除外、日本におけるロシア向け輸出の監視強化(全てが輸出禁止ではない)

と続き、いよいよ資源の石炭・原油についても制限が考えられている中、4/19から禁輸措置がスタートします。



え、何が禁輸なの???


と思われますよね。今回は、石炭、原油ではありませんが、資源ほどにないにしても、効果的に制裁を加えるための物品が選ばれています。

  • 酒類全般

  • 木材チップ、丸太、単板

  • 機械類(内燃機関やポンプ、乗用車など)

機械類については、何か一貫性があるわけではなく、エアコンやファン、洗濯機など家庭用ものも含んでおり、特定の何かというわけではない様子。


これらについては、施行される日からロシアを原産国にするだけでなく、何かしら船積み地としてロシアが関係する場合に対象になります。
例えば、北欧原産の商品でも、ロシアを経由して日本に入ってくるパターン(並行輸入や積替え)も該当します。


例外事由として、施行前までに契約し、その契約に基づいて輸入されるものについては、施行日から3ヶ月以内に輸入される場合、規制対象にはなりません。

一応、完全な禁輸ではないため、輸入前に経産省に輸入承認をとれば、関係なく輸入できます。
ただ、基準が公表されているわけではないため、禁輸に近い感覚になるでしょう。

私自身、規制にかかる案件を担当したことがないため、実際の手続き面はわからないです。


ロシアからの物品の規制ですが、特定国・地域からの規制を記載したページを見ればわかりますが、国としては、北朝鮮の次に厳しいものとなっています。



機械類については、どこまでの影響があるかは難しいですが、まず木材については、影響が大きいです。

今回規制対象の単板をもとにランキング化しているサイトですが、輸入先第二位にロシアがいます。

この分がなくなる可能性があるのです。
決済面でも厳しくなっているため、すでにロシア産から他の国の産品に切り替える動きもあるとのこと。

コロナ禍によるウッドショックがさらに加速しそうなところです。


そして、個人的に気にしているのは、酒類です。

ロシアのお酒というと、ウォッカがまず挙がります。
このウォッカの輸入が止まるということになるのです。

木材では考えられなかった、転売の可能性が出てくるのです。木材ほど、保管コストが掛からないためです。


ただし、転売するには、

酒類販売業免許が必要になります


個人用途レベルなら、まだしも転売ヤーと呼ばれるそれを生業にするレベルだと、間違いなく酒税法違反に該当すると考えられます。


転売の問題点を話したことがありますが、

これに加えて、酒税法違反までつくことになります。


ですので、買い占めなど転売目的の売買はやめましょう



以上になりますが、中々事態が好転する兆しがなく、輸入規制も増える可能性があります。

今後の動静に注意が必要です。
なお、私自身これ以上のことは知り得ておりませんので、質問等にはお答えできませんので、ご了承ください。



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