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”転売”の問題点 なぜ”転売”が発生するのか

”ホビージャパン”の1件で、改めて”転売”についての問題が騒がれている。

何より、経済学者と呼ばれる人間が、転売を容認する発言をして炎上している。


大学で”経済学”を真面目にやってきた身としては、なんで”容認”発言をするのか理解に苦しむ。

そして、今現在”通関士”として、大きく言えば”物流”に携わっている身。


経済学と物流 2つの点からこの問題を話していきたい。
ただし、ホビージャパンの1件の”解雇”問題はここでは触れない。


転売とは

この手のお話をするには、まず言葉の定義をする。

これは、論じるときの最低限の条件だ。

まず、goo辞書から調べてきた。

[名](スル)買い取った物を、さらに他に売り渡すこと。またうり。「土地を転売して差額をもうける」


意味として非常にシンプル。

ただ、この意味だと多種多様なものが、”転売”となる。

なぜなら、一般的に買ったものを使用・消費したり、紛失・廃棄したり、贈与したり、加工・分解しない限りは、残る選択肢は”売る”しかないからだ。


一番身近なものが、スーパーマーケットやコンビニではないだろうか。
自前の加工がない限りは、メーカーから仕入れたものを店頭に陳列して、我々消費者はそれを買う。

辞書的な意味では、スーパーマーケットやコンビニは”転売”していることになる。

もう一つ例を出そう。株式だ。

興味がなくてもニュースで何かしら聞いたことがあるだろう。上がった・下がったと話になるが、これも誰かから株式を買って、誰かに売っている中で、株価が上下するのだ。


上のスーパーマーケットやコンビニ、株式は果たして”転売”と言われたことがあるだろうか。
答えは否だ。


ここで、転売が問題になっている事例を考えてみよう。


チケットやSwitch、マスクや消毒用アルコール・・・・。
これらは、使用・消費を目的とせず、大量に買い占め、価格を吊り上げて売却することが共通することではないだろうか。

大量の買い占め、価格を吊り上げて売却することという点では、スーパーマーケットやコンビニは全く該当しない。

株式に関しては、一部満たしている場合があるが、そこまで多い事例ではない。


これ以降、転売とは使用・消費を目的とせず、大量に買い占め、価格を吊り上げて売却すること
と定義して議論していく。


なぜ、”転売”が発生するようになったのか


つぎに、なぜこのような”転売”が発生するようになったかを話していく。
上のように、定義した”転売”の意味でも割とシンプルであり、昔でもありそうな雰囲気はある。

チケットのダフ屋がそれだ。
”チケットが余っているから”という理由で、不当な金額で売る人たちのことだ。

ただ、このダフ行為は、チケットが必要となる周辺で行われていた行為だ。
つまり、コンサートのチケットが入手できず、会場近くにいる人達に対して売っていたのだ。


ある意味、活動範囲は限られていたのだ。


しかし、ネット社会の発展がその制限を取っ払ったのだ。

まず、ネットによって”転売”する商品がほしい人間が簡単に見つかり、また簡単にやりとりできるようになった。


そして、楽天・アマゾンの順にネットショッピングが発展。
個人への小口配送が急増するのに対応して、商品の発送が非常に簡単に、スピーディーにできるようになった。


最後に、上の2つの素地をもとに、ネットオークションフリマサイトが巨大化した。
これで、巨大市場に誰でも出品・販売行為ができるようになったのだ。


昔と異なり、求める人を見つけやすく、買い占めたとしても簡単に売りさばく、環境ができたこと。それが”転売”が発生する要因となった。


長くしすぎると読みにくくなるため、一旦ここまで、Part2に続きます。


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