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最新ファッションアプリ『クチュール』は低迷するアパレル業界をどう変える?

昨日ローンチされたファッションアプリ『クチュール(COUTURE)』。

モデルでタレント、かつ自身のブランド『パスカル マリエ デマレ』を運営するマリエさんが開発に関わっている、というか彼女の会社が発表したということなのだけど。

個人で自分の好きな絵や写真を使って、Tシャツやスカート、ワンピースなどのファッションアイテムをオーダーできてしまうというアプリ。

クチュールデジタルという会社との協働によるもので、この会社の技術はすでに2年前にTOCCAがこの会社のシステムを使ってドレスオーダーを始めていたようです。

イマイチよくわからないのが、マリエは自分のデザインした洋服を売っていて(Tシャツ以外知らないけど)、このアプリはあくまでユーザー個人がデザインを作るというところにある。大きく見るとデザイナー的には自分のつくったものが売れなくする施作なのでは?と思うのだけど。

そして、ここまでだとマリエがこのアプリ開発に関わる理由が一切見えてこない…多分、ファッションアイテムのベースを彼女がディレクションするということなのかな?と、リリースを読むと、『パスカル マリエ デマレ』の商品展開の一部、みたいなことですね。ブランド名は『パスカル マリエ デマレ』で、その中で柄を遊べるよ、ということみたいですな。

試しに、早速アプリを落としてみたけど…

このいかにもデジタルな女性のイラストが…
そもそもかわいくないのでは。。(小声)

技術的にすごいのはわかる。わかりすぎる。

わかるけど、洋服選ぶのとかってものすごく感覚的じゃないですかね?

インスタグラマーが流行ってたり、モデルよりも参考にするってのも、憧れや親近感がポイントなわけで、、
特に女性は理屈やスペックより雰囲気を重視する傾向が強いような…。

ここにはそういう、雰囲気が一切ない。
なんていうかCADとかDimensionとかに近いのでは…プロの現場のソフトみたいな感じですかね。(と思ったらCADソフトを作っている会社みたいです…そりゃそうだ。)

使い方が感覚的にはわかりにくいのと、
ボタンなどの操作パネルがちょっと懐かしい雰囲気すらする…

ディスってるんじゃないですよ?
驚いたんですよ。
今、この全盛期に新しくローンチされるアプリ。
しかもマリエとかをアサインしているということで、
てっきりおしゃれ全開、なんならエモさすら持ち合わせてるんかな

と思っていたのです。
なのである意味ストイックとも言えるその落差に驚きました。


価格帯に疑問が…

マリエのブランドといえば、超シンプルなロゴTシャツが1〜2万くらいだったような…。で、枚数限定とはいえ発表するたび即完売という記録がありました。

で、今回のアプリから買えるアイテムの価格ですが

スカート ¥5,500〜
ワンピース ¥7,500〜
注文から発送まで3週間

ということで、
こういうのが同じブランド内に存在するんでいいのかな…と。

すみません、勉強不足で彼女の他のアイテムとか知らないのですが(今も勢いで書いてますし)、
それにしてもこれはファストファッション価格じゃないか
ZARAでも+¥2,000申し受けますよ(trfラインならこれくらいか)


素材にこだわる、は
ブランドのポリシーではなかった…?

マリエさんのTシャツが発表された時に、ものづくりの背景として、彼女が

日本全国の作り手の元へ自ら赴いて生産者の話を聞き、生地づくりからじっくりこだわっている。だからお値段張っちゃうんです。

って言っていて、わたしもものづくりの背景にとてつもなく興味があるので
とてもシンパシーを感じたんですよね。

でも、だ。
この価格帯、明らかに国産ではないよね。国産では無理です。

もしこれを国内でやるとなると相変わらずアパレルはブラック業界ということに。やめてー!つらい、つらすぎる…継続できんやで…

ものをつくるとき、一つだけ作るということのほうが大変で。
大きなロットで量産するならまだしも、生地の素材を作る人がいて、洋服に生産する人がいて、できたものを発送する人がいてと、シンプルに物を作るだけでも何人関わってる?っていうところなのに、さらに、システム料や流通費用…それが込み込みで例えばスカートなら5500円。一つだけつくってこの値段では赤字になってしまう。これで赤字にならないならその仕組み教えて…

なのでそこのところの仕組みも大変気になるところです。サービスの継続を考えるとそこはかなりシビアに見ているはずなんですよね。

(ええと、そもそも海外生産だから安くていいというのもちょっと疑問なのだけど、結局それで今の社会が成り立っているわけで…この辺の話長くなるので割愛しますが…)



ということで総論。
このアプリ、使う?

結局のところ、わたしは試しに一度やってみたい。(システムと、アイテムの双方のクオリティチェックの意味で…ああ、いやな客…)
だけど、ダウンロード直後の第一印象が「ちょっとめんどいかな…」と感じてしまったのが残念。

最近のアプリはやはり
UXだのUIだのが優秀で使いたくなる操作性、
というのが(若い層相手だと特に)マスト。

ま、ローンチされたばかりだから、これがまたブラッシュアップされていくだろうから、その点は今後に期待。


でも、最初の話に戻りますが、洋服の買い方の棲み分けがかなり明確になった印象ですよね。

1_スタンダードアイテムはユニクロや無印
2_流行アイテムはZARAやH&Mなどファストファッション
3_ぴったりサイズがほしければZOZOSUIT
 ここに、さらに
4_個性的な洋服は自分で図案をデザインしてアプリで制作

と、あらたに追加されたということで、しかもいずれも手軽であるという共通点。ますますメーカーは洋服が売れないという図式になりやしないか。

一方でブランドや小さなメゾンは、ますます個人のカラーを発揮する方向にいくのでしょうね。

もしもサポートいただけましたら、私もまた他のどなたかをサポートしてサポートの数珠つなぎをしていく所存です!!