『罪の声』の小栗旬がすごかった件(MIU404の綾野剛もすごかった件)※ネタバレなし
映画『罪の声』を観てきました。
それで、「小栗旬って、すげぇな〜!」と感じたという話です。
小栗旬ってすごい役者なのだな(今更)
小栗旬、もちろん存在は知っている。なんとなく、というか、めちゃくちゃチャラい印象を持っていた。なので『罪の声』は当初観たいとは思っていなかった。
野木亜紀子脚本映画やるんだ!でも重そうな話だな…さらに、主演が小栗旬か、、星野源はいいけど、小栗旬か〜(心の声:興味ねぇ〜)というのが正直な反応でした。普段から映画を観る習慣があるならともかく、年に数えるほどしか映画館で映画を観ていないので、劇場に行くのに強い動機が必要だ。
それでも、あらゆるタイミングやらが合ったので、観にいった。まあ動機の8割は野木亜紀子(脚本家)なのだけど。
野木亜紀子は間違いなく天才だったのだが、思いがけず(って主演なのだが…)目を奪われたのが、小栗旬。
チャラオーラ全消しで、すごく素の感じの、いい意味で普通にいそうな記者だった。立場的にもあまり抑揚のない役で、低め安定のテンションの中での表現の幅広さ。途中で何度か「これ本当に小栗旬か?」と思うなどした。
個人的な感覚だけど、役者のすごさってその本人像を消せる人、とわたしは感じるタイプです。一方で「何をやってもご本人!」という役者もいるし、いやそれが悪いのではなくて、だからこそ生える演技のタイプもあり、役回りもある。
というなかで、わたしは「あれ、この役者この人だったんだ!」と思ってしまうくらいにご本人の存在感が薄い(あるいは消せる)役者に釘付けになる。
顔つきの濃い薄いでもなく、なんなんだろうか、あれは。
『罪の声』でいうと、星野源はわりと星野源だった。ちなみにわたしは星野源は好きだ。(好きだからそう見える、かというと、そこまで好きなわけでも無い。)
一方で小栗旬は、見た目は小栗旬なのだけどまったく別人で、スイッチあるのかな?という感じ。オーラスイッチ消した?みたいな。同じ顔なのに別人、変装してないのに別人、というパラレルワールド感がすごい。
そもそも役者は演技をしているので毎回別人になるのは当たり前なのだけど、いやなんかちょっと言語化しにくいのだけど、役者全員がそうではないし、同じ人でもそういう場面とそうでない場面とある。
これがごくたまにドラマや映画を見ていて起きることで、その瞬間はなんだか非常にテンションがアガる。しばらくその役者のことが気になる。なので映画以降、小栗旬をググったりしてしまった。
そして綾野剛もすごい役者だった(今更)
似たようなことは、最近のドラマでもあった。
『MIU404』の綾野剛である。
え?これ本当に綾野剛??綾野剛って人ふたりいる??くらいの別人感だった。ヤクザものの映画の時の威圧感はどこへいった、背丈も肩幅も小柄に見える、綾野剛って身長180cmあるらしいんだが(ググった)、全然そうは見えない、なんなら小動物のように見えた。
化けるってこういうことか!というか。
小栗旬も綾野剛も、ヤクザ物とか半グレ的な役や作品に多く出ている印象で、それ系は一切好んで見ないので、役者としてあまり出会ってなかったせいもあるかもしれない。たまたま途中から見始めた『MIU404』の伊吹がよすぎて、他の映画を見てみたのだけど、大概がヤクザ物かだらしないダメな男役で「違うんだ、私が見たい綾野剛はこういうんじゃなくてだな…」とむしろフラストレーションが溜まる一方だった。
それで『空飛ぶ広報室』を見て欲しい(今更)
それでいうと、わたしの欲求を満たしてくれる綾野剛は『空飛ぶ広報室』にいた。あれは最高だった。彼には『MIU404』の伊吹や『空飛ぶ広報室』の空井とか、こういうピュアでまっすぐな役をやって欲しい。そんな綾野剛が好きだ。
ちなみに『空飛ぶ広報室』は新垣結衣と綾野剛が主演なのだけど、なぜそんな古いドラマ(2013年放送)の話をするかというと、野木亜紀子脚本にハマって過去作品を洗い出していたところ、アマプラにあったので見たら最高だったということです。
このドラマは航空自衛隊が舞台なのだけど、そういうストーリーの背景にある描写がとても細かい。専門用語もたくさん出てきて知識も得られる、野木亜紀子脚本にはなにかそういう側面も毎度あって、雑学好きとしてはますますハマるのかもしれない。
そんなわけで脚本目当てで見たけど、綾野剛にも大いにハマった。いやー、空井、可愛すぎる。逃げ恥の平匡とMIUの伊吹を足して割ったようなキャラ。前半のガッキー(稲葉リカ)の小賢しさはみくりの裏側にも通ずるので、逃げ恥好きは見たらいいと思う。おすすめです。ちなみに知ったようなことを言っていますが、逃げ恥もリアタイ視聴してませんでした。
今更でいいのだ、こういう発見が楽しい
一応上映中の映画なのでネタバレしないように…と書き始めた割に、『罪の声』要素がまったく薄くなってしまった。むしろ映画に出てない綾野剛のことをつらつらと語ってしまった…なんでだ。
そういえば同じタイミングで綾野剛出演映画やっていますね『ドクター・デスの遺産』。映画としては面白そうだけど、わたしの綾野剛欲(ソフト綾野剛求む)を満たしてくれる作品ではなさそうだ。むしろ北川景子にハマるかもしれない。
まあそんなわけで、いつだって新しい発見があるから、エンタメは楽しい。