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イベントレポート|「JaSST Online Daisy」に参加して学んだこと~自分のテストエンジニアの力量を知る~

はじめに

皆さんこんにちは。あびこといいます。

今回はJaSSTさんが企画した「JaSST Online Daisy」に参加し、そのイベントで学んだことを、この3か月どのように業務に活かせたを振り返るために、 「JasstOnlineイベントで何を学べたのか」「自分はどう変わったか」をまとめてみたいと思います。

■イベント参加のきっかけ

私事ではあるのですが、2年前に食品会社の営業から転職し、未経験ながらテストエンジニアとして働き始めて早3年目… 。テストエンジニアとしての実務経験は積むことがあっても「ソフトウェアテスト」の通念的な知識が身についているのか…?という不安が出てきているのが最近の悩みでした。

そんな中、5月にJaSSTにて「テストを体験する」ワークショップを開催するという告知が!

JaSSTというのは「Japan Symposium on Software Testing」の略称で、日本最大規模のテストにかかわるシンポジウムイベント団体です

全国各地の名前を冠したシンポジウムとして講演を聞き、意見を交わしあうという内容ですが、今回はシンポジウム形式とは一味違う「JaSST Online Daisy」といったものでした!

※「JaSST」とは?…毎年、一年を通じて全国各地で開催される、日本最大級のソフトウェアテストカンファレンスをメインに活動している府団体です。SHIFTもJaSSTを応援しています。JaSSTに関するレポはこちら

実は、「JaSST」のイベントには毎回気になり、参加しようと思っていたのですが…。正直、JaSSTのイベントは「内容レベルが高そうで、未経験の自分が参加しても大丈夫なのかな…」「知識人の方々が議論しあっていて、自分が参加してもよいのか…?」「敷居が高いな」というのが率直な印象でした...

その中で、いつものシンポジウム形式とは違った実践型のイベントが開催されると聞き、「シンポジウム型ではない、初心者でも歓迎と謳っている体験型のイベントなら気軽にいけるかも!」と一念発起して今回のイベントに参加応募しました。

■オンラインイベントならではの楽しさも!

そして5/14(土)、イベント名にもあるようにオンライン上(Discord)にて開催されました!

イベントの目的は、毎回少しずつ異なるようですが、今回は “「まったく異なる」人たちがチームを組んで、多様な考えのもとテストを行い、知見を得よう!”といったものでした。なので事前にアンケートにて「どういった職種経歴か」「テスト経験歴はどのくらいあるか」「どういった種類のテスト技法の経験があるか」などのヒアリングの結果から、「様々な意見を持った経験を持つ」チームが作成、その中で意見を言い合うといういったものでした。

■イベント内容|テーマは「バグバッシュ」

今回のテーマは「バグバッシュ」。実際に運用されているプロダクトをお借りして参加者全員が自ら手を動かし、バグを探していきます。プロダクトの要件や仕様を学習しながら自身の経験や考えをベースにテストをする、つまりは探索的テストに近いことを実践するという会です。

しかし、それだけではわざわざ集まって同時刻に行う必要がありません。
毎回花の名前を入れている"JaSST Online"。今回のDasiyで行うのは、複数人で行うモブ探索的テストになります。まったく分野の異なる業界の人、異なる世代の人、探索的テストの経験がある人ない人と、多様なメンバーで構成されたグループで、テストをともに行います。(JaSST Online Dasiy より一部抜粋)

このイベントに参加していたのは約30人ほど、そこから各々3,4人の9チームに分かれて「GIHOZ」というテスト技法にまつわるWEBアプリケーションサイトをテストアイテムとしてバグバッシュを行いました。 (https://www.veriserve.co.jp/gihoz/) そこで3人とチームを組みました。

  • Aさん:テスト経歴10年以上のベテラン。

  • Bさん:テスト経験はないが、開発7年経験者。

  • 私(あびこ): テスト経歴2年、開発経験なし という、 本当に経験も世代も異なるメンバー! このメンバーでドライバ(実際にテスト操作を行う人)、ナビゲーター(ドライバに対して実行指示を行う人)、バグ起票担当(操作して見つかったバグをメモする人)、とそれぞれ役割に分かれて、40分間実行。時間がたったら役割を変更してまた40分実行...というセットを計4回繰り返し「GIHOZを対象とした探索型テスト」を実行しました。

■実行

スプリント実行期間で初めに行ったのは、メンバーみんなで全体を確認して6つの技法があることを確認し、「1つの技法を確認するのに果たしてどのくらいの工数がかかりそうか」の相談をしあいました。

テスト対象である「GIHOZ」は6つのテスト技法 「ペアワイズテスト(ペアワイズ法)」 「デシジョンテーブルテスト」 「状態遷移テスト」 「境界値分析」 「クラシフィケーションツリー法」 「CD法」を学べるページがありましたが、限られた時間の中で そのGIHOZの6つのページをさらっとすべて見るか?それとも、1スプリントごとで1つの手法を確認するか?その場合、どういった優先順位で実行する技法を選ぶか?という検討をはじめました。
「技法画面ごとに知っているものをPICKUPして優先順位をつけ確認する」ことに決めたのですが、その決め方もチームメンバーの知見や見方によって変わっていたのが面白かったです。

例えば、Bさん「一番使うものが大体上の方にあるはずなので、上からやっていくのはどうか」(経験的なUI理解)Aさん「人に説明ができる知っている技法があるので、解説しながらやるのはどうか」(テスト経験で得た知見)私「GIHOZのリリース時情報では4つとあったので、新しく追加された2つの技法を見るのはどうか」など… そこから40分のセットを回し、チーム内で一番これは!と思うバグを選択、それを見てステークホルダー、運営の方が優秀チームを決定、表彰といった流れでした。

あいにく表彰はかないませんでしたが、表記バグを発見できたため、満足感がある楽しいイベントでした!

■感想

軽くどんなイベントかまとめたところで、自分が感じたことをまとめます!

① 初対面の人間と初めてのテストアイテムに触っても実行はできる

今までのテスト業務の中で「初対面!すぐ実行!」みたいなシチュエーションはありませんでした。知らない人と知らないものに対して取り組むという環境は、まるで「リアル脱出ゲーム」のような緊張感がありました。

そのような条件で「テストアイテムにどのようにテスト実行に取り組んでいくか」「初対面のコミュニケーションをとりつつ、実行の流れも作っていく」といった経験はゲーム感覚で面白く、実際の業務でもその感覚を忘れないことで、楽しく取り組むことができるようになりました(もちろん業務に関する責任プレッシャーはありますが(笑))

② 自分自身のテストエンジニアとしてのスキルの再確認

自分自身のテストエンジニアとしてのスキルを再確認できたのも大きかったです。 未経験ながら現場の方からいろいろ教わったり、勉強することでテストエンジニアとしてやってきたつもりですが、 チーム内も先輩のテストエンジニアが多い中で「ちゃんとテストエンジニアとして動けているのだろうか」という不安はずっとありました。

しかし、今回のテスト実行にて今までの業務で行ったことがあるアクセシビリティ観点や文字列での観点、運用観点などから指摘を行うことができたのが自分でもびっくりで、「あびこさんの観点、開発側としては思いつかない、見ないことばかりだったので勉強になりました」と感謝されたときに、自己の成長に気づくことができました!この感覚はSHIFT社内ではなく、外部のイベントだからこそ感じれたものだと思います。SHIFTで学んでいたことが糧となっていることが実感できたのはうれしい限りです。

自信を持った結果、レビューなどで気づいたことや疑問に思ったことを、今までなら「ためらい」という手順を踏んでいたのが、なくなりました。何事も自信からはじまるな、と感じた次第です。

③ 時間通りにやること

至極当然のことですが、今回の反省点でもありました。違った視点の3人で新しいバグを見つけるということは難しくもあり、面白くもあり…時間がたつのがとにかく早かったです。

「集中していると時間を見なくなる」という癖はもとから自覚している分、今回の1スプリント40分がまもれなく、タイムキーパーができなかったのがあまり良くなかったところです。 このことから、タイムキーパーとしてタイマーをブラウザで入れておくことで、業務としてスケジュール遅れなど内容に気を付けられるようになってきました。これも業務として取り入れらた部分です。

④ 工数見積もりのバリエーションが増えた

チームメンバーみんなで「どの画面からやるか」という優先順位の見積もりを取った際、 自分は「メンバーが知っているテスト技法からやったほうが知見があるので進みやすいのではないか」、ほかの開発業務のチームメンバーは「開発が複雑そうに見えるところから見るほうが効率的では」「最初に全部見て気になったものからやってみよう」など、様々な見方があり、それを芯を立てて話すことが大切だな、と感じたことです。

現在の業務でも、時間がかかるかかからないかを多角的な見方ですること、いままではうまく見積もりが合わなかったのを正確に分析できるようになってきました。

⑤ JaSSTでやっていることに興味がわいた

一番大きかった事柄です!!最初に書いた通り、JaSSTは大変そうイベントという印象が抜けなくて、「自分なんかが参加してもよいのかな…」という気持ちをいい意味で壊してくれました! この記事を読んだ方できっと自分みたいに「まだ経験不足だから」という方もいると思います。

私は、このイベントに参加したことで、自分自身がきちんとQAとしてのスキルが伸びていることを実感することができ、この3か月で業務にも影響が出始めました。 経験不足と感じる人こそ、参加して自分の力量を測って業務に活かしていったほうが良い!だからこそ、ぜひとも気になったら参加が一番!ということをお伝えできたらと思います!

「JaSST Online Daisy」、daisyというサブタイトルは毎回花の名前からとっているのですが、実はAからアルファベット順でナンバリングされているようです。 (Anemone,Bergamot,Clover,Daisy...)とても詩的で良いな,,,という気持ちです。

次回のJaSST Onlineイベントはまだ未定ですが、シンポジウムは11月に開催されます。(https://www.jasst.jp/) 次はぜひとも参加してみたいと思いつつ、JasstOnlineイベントで学び、この夏、業務で活かせたことのまとめとさせていただきます! (タイトル画像の引用元



執筆者プロフィール:あびこ
今までは食品会社の営業をしていたIT未経験のQAエンジニア3年生。 現在SHIFTに入社して品質保証を学びながらより良いモノづくりのために日々奮闘中。

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