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DAAE流、インバウンド/アウトバンドのトレンド・ビジネスチャンスについて分析したみたPart1

はじめに

こんにちは、株式会社SHIFT DAAE部の清水です。
DAAEとはデザイン(Design)、迅速性(Agility)、組み合わせ (Assembly)、経済品質(Economic quality)の頭文字をとったSHIFTオリジナルのプロダクト開発フレームワークです。
業界職種問わず様々な分野についてDAAE流に発信しています。

いきなりですが、コロナになってから皆様、海外(仕事を含めて)へ行きましたでしょうか?隔離期間やワクチンなどの制約によって、海外へ行くハードルが高まっていると思います。

プライベート・仕事どの観点からもコロナの影響によるインバウンドへの打撃は計り知れません。プライベートでは、予定していた海外旅行計画が崩れてしまったり、仕事では、他国との取引ができないことによる売上減少も様々な業界で散見されたと思います。

インバウンド・アウトバウンドの減少について、どのくらい影響があるのかニュースを見ていても、2020年からの数値推移は、昨今情報が流れています。1900年代からの情報はあまり目にしないかと思います。

そこで今回は、直近のデータだけでなく、1964年から2023年までのインバウンド・アウトバウンドのトレンドについてを見た後に地域別・国別でのインバウンドを見ていきたいと思います。

また、このシリーズはPart3まであり、既存のビジネスチャンスに活かせると思いますので、是非ご一読ください。

この記事はこんな方におすすめ

  • 新規事業を立ち上げている人

  • 海外の情勢が気になる人

  • 事業で海外エンジニアに開発の委託を検討されている人

▼公開中 Part.2

1.1964年から2022年までのインバウンド・アウトバウンドトレンドについて

1960年代から2022年までのトレンドを見ていく前に、直近コロナの影響によってどれほどインバウンド・アウトバウンドが減少しているかどうかを見ていきたいと思います。

2019年~2022年のインバウンド・アウトバウンド数(日本)

2020年の後半からコロナによって、様々な業界業種に打撃を受けています。旅行の観点からすると、インバウンド・アウトバウンドは大打撃を受けています。

2019年と2021年を比較すると、2019年時点で3,188万人だったインバウンド数が2021年時点では24万人99%程、インバウンド数は減少しています。
アウトバウンド数も同様に、2019年時点で2,008万人だったアウトバウンド数が、2021年時点では51万人97%程、アウトバウンド数は減少しています。

上記、データを見てみると2019年から2022年にかけて、コロナの影響によって大幅に数値が減少していることが見て取れると思います。

直近の傾向を把握することができたので、次に、1964年(収集可能な正規データ)までさかのぼってデータを見ていきます。

1964年~2022年のインバウンド・アウトバウンド数(日本)

1964年から2022年にかけての数字をグラフ1に落とし込んでみると、
以下のようになります。

グラフ1:SHIFT作成

アウトバウンド数の増減・インバウンド数の増減と、2つの観点から見ていきます。

アウトバウンド数の増減について

以下のグラフ2を見てみると、アウトバウンドは1987年を境にして、急激に増えています。

グラフ2:SHIFT作成

当時、円高によって日本は輸出業で諸外国と比較しかなりの利益を上げていました。日本としては、諸外国との関係をより良くしていきたいと考えていたために、この貿易均衡を是正する、且つ観光交流を兼ねて日本人旅行者数を1000万人にするというテンミリオン計画が政府から打ち出されました。

結果として、3年経った1990年には1,000万人という目標数値を達成しました。そして、円安の影響(2013~15年はアベノミクスにより円安傾向)により一時アウトバウンド数は停滞しましたが、2019年には、2,000万人という数字にも達しました。

アウトバウンド増加要因①:テンミリオン計画

1980年代日本の貿易収支が、諸外国の収支よりも黒字化しており、貿易均衡が乱れていました。それを是正するために政府がテンミリオン計画を打ち出したことによって、海外への旅行が容易になったためです。

アウトバウンド増加要因②:空路・旅行地域拡大

テンミリオン計画に伴って、空路の拡大・目的地の拡大により、旅行者の選択肢が増加しました。
また、選択肢が増えることによって、手の届く金額での旅行ができるようになりました。

アウトバウンド増加要因③:SNSの普及

直近では、SNS普及に伴い、個人間で情報を簡単に取得することができるようになり、行ったことがない地域へのハードルが下がったことも1つの要因として挙げられます。

では、次にインバウンドについてみていきたいと思います。

インバウンド数の増減について

以下のグラフ3を見てみると、2012年まで若干数増えていますが、基本的には横ばいとなっています。しかしながら、2013年を境にして、急激に増えています。

グラフ3:SHIFT作成

2012年まで横ばいだったインバウンド数が、2013年から急激に増加しのは、近隣アジア圏のビザを緩和したことが最大の要因となっています。また、継続して円安であったことも、海外からの観光客や仕事の人とっては恩恵を受けたと考えられます。

結果として、2016年には2,000万人を突破し、2年後の2018年には3,000万人を突破しました。日本の旅行業やそれに関連する事業にとっては、インバウンド者数の増加は、かなりの収益をもたらしました。
ビジットジャパンキャンペーンを2003年に打ち出したことに加えて、アジア全体として国力が上がり経済成長していったこともインバウント増加の要因になったと思います。

アウトバウンド増加要因①:アジア諸国のビザ緩和

近隣諸外国からのインバウント数増加を見込み日本へのビザを緩和したことによって、インバウンド数が増加しました。

アウトバウンド増加要因②:ビジットジャパンキャンペーン

ビジットジャパンキャンペーンにより、民官一帯で様々な施策を打ち出し日本へのアクセスのハードルを下げました。
例)外国語の表記対応やインフォメーションを増やした。

アウトバウンド増加要因③:アジア諸国の経済成長

中国を筆頭にアジア諸国は、国力を伸ばし、すさまじい経済成長を遂げています。その結果、余暇に使える時間とお金が増加しました。

1964年から2022年(コロナ期を除いて)のグラフを見てみるとアウトバウンド・インバウンドが上昇していることが見て取れたと思います。 では次に、インバウンドの詳細を見ていきたいと思います。

2.インバウンドを地域別でみてみた

ここまでで、インバウント・アウトバウンドのトレンドを見てきました。
ここからは、インバウンドに焦点を絞って、詳細に見ていきたいと思います。インバウントは2013年から急激に上昇しているということが、データから見て取れました。では、具体的に、どの地域・国からのインバウンドが多いでしょうか。

地域別でみるインバウントトレンド(2008年~2025年推測値も含め)

インバウンドにおけて、なぜ2013年から急激に増えたのかどうかについては、主な要因は3つありました。
要因は複雑で、明確にこれであるとは言い切れませんが、大きな要因は
①アジア諸国のビザ緩和
②ビジットジャパンキャンペーン
③アジア諸国の経済成長 
の3つでした。

では、実際にアジア諸国からのインバウント数が増えているのか、見ていきたいと思います。

地域別インバウンド数トレンド

以下のグラフ4が、地域別でのインバウンド数のトレンドです。
2008年から2012年にかけては、横ばいですが、2013年から急激にアジア地域からのインバウンド数が激増しています。

これは、上記で見てきたように、日本がアジアへのビザを緩和したこと・アジア諸国が経済的に豊かになったことが、主な要因です。ビジットジャパンキャンペーンによって、空路が拡大したこともありますが、長期で見るとビザ緩和経済成長がキーワードになってきます。

グラフ4:SHIFT作成

上記のグラフから、地域別ではアジア諸国からのインバウントが増えたということが分かったので、次はより具体的に国別でのインバウンドトレンドを見ていきたいと思います。

国別インバウンド数トレンド

地域別では、アジア諸国からのインバウンド数が多いということが分かったので、ここからは、より具体的に国別でのトレンドを2018年直近のデータで見ていきたいと思います。
国別でのトレンドは、グラフ5になります。

以下のグラフ5から見て取れることは、日本に近い中国・台湾・韓国からのインバウント数が増えているということです。
中国は、すさまじい経済成長を遂げたことによって、余暇に投資できる金額が増えてきたと考えられます。

また、コロナによって正確な数値は算出できないかもしれませんが、今後は、ベトナムからの旅行客も右肩上がりに増えてくると思います。
※次回は、直近でなぜベトナムが増えているのかについてを見ていきます。

グラフ5:SHIFT作成

アジア諸国からのインバウンド数が増加していることが、全体のインバウンド数増加の最大の要因であるということが紐解けました。

最後に、今後のインバウンドについてを、今までの分析をまとめていきます。

3. インバウンドにおける今後について

1964年から2023年までのトレンドを分析し、地域・国別のインバウンドまで詳細を見てきました。国のテンミリオン計画などによって、アウトバウンド数が増加したということ、ビジットジャパンキャンペーンやアジア諸国のビザ緩和などによって、インバウンド数が増加したことが分かりました。

また、詳細に見ていくと、インバウンド数が増加している理由は、近隣諸国から、特に中国・台湾・韓国からのインバウント数が増えていることである、と顕著に読み取れました。

今後は、ベトナムからのインバウント数が増えていることを鑑みると、
コロナが明けてからのインバウンド数が4,000万人に達する時は近いかもしれません。 2022年のコロナ期におけるインバウンド数データ(グラフ6)からも読み取れるように、確実にベトナムの勢力が伸びてきています。

グラフ6:SHIFT作成

次回以降は、ここまでの分析を基にしてなぜベトナムのインバウンド数が増えてきているのかインバウンドビジネスチャンスについてをDAAE流に分析していきたいと思います。

インバウンドにおける調査ソース

主に以下のような参考文献を元に、調査を進めていきました

※本稿内の図表は上記ソースよりSHIFTにて作成



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執筆者プロフィール:しみず
DAAE戦略部 DAAE戦略部グループ所属。2021年11月にSHIFT入社。
役員直下の部署に所属し、SHIFTの自社サービスの成長に貢献すべく、 事業を推進しています。現在は、主に自社サービスの「まん福」や国際医療NGOである特定非営利活動法人ジャパンハートのアプリ「1TAP SAVE LIFE」の支援を担当しています。また、直近新規事業の担当者としても事業に取り組んでおります。 2022年11月より、DAAEブロガーの担当として新たな示唆を得られるように、日々様々な事象にアンテナを張っていきます!

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