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忘れた母の日にみた夢

桜満開の道を、歩いている夢でした。

背に、重みを感じる。
私の胸元に組まれた手がありました。
「あっ!」
忘れはしない、ごつごつした細い母の手だった。
その手は、私を育てるために、働きつめて皺だらけになった、枯れ枝のような手でした。

母は今、私に背負われているのです。
私は、作業着の母を着物に着替えさせて、また歩き続けました。

軽い、それにしても軽い。
いつの間に、こんなに軽くなったのだろうか。

私は、それを今まで知らなくて自分の不甲斐なさを感じて、情けなくなりました。

母が何かを話している。
とりとめない話しです。
私は、どうにか母の話しに合わせました。
母にとって私は、まだまだ子どもなのです。

「この道、いつか通ったことある。どこだろう!」
そう思いながら、しばらく歩いていました。

「あっ、この道は!。私が子どもの時、母の背に背負われて歩いた道ではないか!」

私は、忘れていたのです。

私は、いま歩いている道を思い出したら、胸が締めつけられ苦しくなりました。

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でも、苦しさと同時に嬉しさもこみ上げてきました。
それは、毎日が楽しかった幼少期へ私を、連れて行ったのです。

今日のこの日、桜の花が舞う道を母を背負いて歩ける幸せを、いつまでも感じていたい。
夢ならばいつまでも醒めないでと、願っています。!

今日のこの日、桜の花片(はなびら)が舞う道は、私を忘れかけた記憶へ連れていきました。

終わり。




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あるの
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