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もったいない衝動

明日以降の食材を買い出しに、ちかくの大型スーパーに出かける。少し湿った秋の風にあたりながら、車に乗り込み、エンジンをかける。流すのはお気に入りのYouTube動画。ラジオやポッドキャストのような形態の動画が最近ブームで、よく聴いている。
15分ほど車を走らせ、一ヶ月ほど前に完成したスーパーへ入り、次の2日3日の献立の材料や、明日の朝のパンなどを見て回り、カゴに放り込む。子どもは牛乳が好きなので欠かさないようにし、気になり始めた動物性の脂質を避けるため、魚や野菜を物色する。

そうしてスーパー内をぐるっと見て回ると、惣菜のコーナーへたどり着いた。そこには、かなりの数の半額シールの貼られた弁当や揚げ物などなどが並ぶ。
こういうとき、毎回買いすぎてしまう。今回も食べ切れないかも、と考えながらも、いなり寿司や魚の天ぷらを手にとってしまうのだった。

もったいない、という気持ちはいつも心の何処かにいて、髪質に合わない気がするシャンプーや、使い勝手が微妙な糸ようじ、もう娘は気にもとめないおもちゃ、賞味期限を1週間過ぎた食材、ギリギリ着られる服……などなど、捨てられないものは多岐にわたる。

さらに、消費するものは使い切ると謎の快感に包まれるので、余計に捨てる気が起きなかったりする。空のシェービングクリームのチューブをゴミ箱へ投げ入れる時の爽快感といったらない。

とはいえ、無視し続けると家が大変なことになるので、大体最後は一大決心をしてゴミ袋の中へ。大量消費社会の隅で、そんな葛藤と日々戦い続けるのだった。

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