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美術本『神迎え』の題字揮毫をさせていただきました

「日本の神様の物語を日本の紙に綴る、描く」を柱にした美術本『神迎え』が、令和6年1月1日に予約販売開始となりました。

島根県隠岐の西ノ島に佇む焼火神社(たくひじんじゃ)に1300年以上伝わるお神楽を題材に、画家・水野竜生氏の画と、文筆家・稲垣麻由美氏の文によって、ユネスコ無形文化遺産の石州和紙で作られています。
和紙に印刷するという工程以外はすべて人の手によって作られ、その印刷はというと原画に限りなく近づくようにと、シルクスクリーン法をとられています。
それはそれは美しい本・・・いえ、美術品と呼びたいほどです。

実は、この本の題字と神楽歌の一節を私が揮毫させていただきました。

お話しをいただいき、書き始めた頃は、どう書けばその役割を果たせるかとばかり考え、書いては反古にするの繰り返しで、本当に自分に書けるだろうか、と悩みに悩んでおりました。

万策尽きたかな・・・と小さく呟きながら、ただただ筆を気儘に動かしていた時、
「この本の中に静かにとけこむような存在の書にしたい」
そんな想いが自分の中に湧きあがって、シンプルで削ぎ落とした書を…とだけ念じて筆を持ち直しました。

ここから書き上げるまでの時間は、それまでにかかった時間とは比べものにならないほど短かったです。

芸術の表現は自己表現だと信じてはおりますが、その表現は主張することだけではない。その場においての調和が取れてこそ発揮されるものもあるということを、再認識いたしました。
この『神迎え』の揮毫は、私の書く人生において、とても大切な作品となります。

この美しい美しい『神迎え』。
どうぞ多くの方々の手に届き幸せなひとときが訪れますよう、心より願っております。

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