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Takaki44_№9

🇫🇷TEMPURA
AUTOPORTRAITS DE TOKYO

フランスで年4回発行される日本文化を紹介する雑誌“TEMPURA”で連載中のインタビュー記事
“AUTOPORTRAITS DE TOKYO”=”東京に住む人たちのセルフポートレート”を日本語訳したものをnoteに記録しています。

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TEMPURA_№9 / 2022.4

Takaki 44
Owner of Shinjuku 2-chome LGBTQ club

Text : Mathieu Rocher (Interview : Ayaka Shida)
Photo : Ayaka Shida

私は新宿二丁目(東京のゲイタウン)でカフェやバーを経営しています。私の店のコンセプトは、東京にいるLGBTQの人たちや通りすがりの人たちの「ハブ」になることです。
日本ではゲイであることを表明するのは簡単なことではありません。だから、レズビアンやゲイのための“社交の夜”を企画しています。
日本では、多くの人が、小さな目立たないコミュニティ、互いに交流しないサブカテゴリーにとどまる傾向があります。このような垣根を取り払い、パーティーをもっと大きくしたいですね。

以前の日本はもっと閉鎖的でした。
でも、最近は前よりもオープンになっているように感じています。
変わりつつあることのひとつは、テレビでドラァグクイーンを見るようになったこと。
これはもう進歩です。とはいえ、ゲイとドラァグクイーンは違うということをみんなが理解しているわけではありません。ストレートの人に説明するのは難しいです(笑)

私自身はというと、東京では完全にカミングアウトしていますが、実家がとても田舎で、両親もかなり高齢なので、本当の意味でのカミングアウトはしていません。
でも、クラブでの仕事のことは全部話しています。少しは理解してくれていると思う。それで十分なんです。

私は旅行が大好きなのですが、コロナは私の人生をひっくり返してしまいました。私の最大の楽しみを奪われたと感じています。
20年後も同じような仕事をしていると思う。でも、台湾やシンガポール、アメリカやフランスに住んでいたいな!年齢を考えると、あまり現実的ではないと思いますが・・・。
私の海外に行きたいと思う原動力は、今の日本がいろいろな面で世界から遅れているからです。例えば、政治家がメディアで「同性愛者はクレイジーだ」と平気で言えること。デモはあるけれど、何も変わらない。だから、同性愛者に寛容な国でしばらく過ごしてみたいです。

いろいろなことがあるけれど、私は東京が大好きです。
パートナーや、私の命の源である犬たちと一緒で、幸せです。
ただ、人生に変化がないことに少し退屈してると言えるかな。


たかきさんはMathieuが紹介してくれた方。
コロナ真っ最中の2丁目は人の気配もごみもなくて、ぜんぜん違う場所みたいだった。

毎号2人ずつインタビューさせてもらってるので、たかきさんはみさとちゃんと同号でした。
この2人体制を、編集長のEmilはバランスだねって言うんだけど、わたしはそれだけじゃなくて、毎回、ちゃんとその2人になった意味があるなと思う。

2人の共通点は愛情深いところ。海よりも大きくて深いよ🥰
逆に私は小さい人間なので、不特定多数のために自分をすり減らして動くことはできてない。
=自分と大切な人で手一杯だから
いつも本当のことを知りたいし本当のことを言いたい。
=嘘は不誠実で嫌だから

たかきさんはたくさんの人が息ができる場所、繋げる場所を作りたいと言っていて、それはちゃんと出来上がってる。みんな笑顔でいられる場所がちゃんとある。
これは本当にすごいことだと思う。
そして、ご両親へのカミングアウトはしていないと言っていた。

誰かを想って本当のことを言わないことを嘘といえるのかな
本当のことを言って誰かが傷つくことがあったとしたら、
それは誠実と言えるのかなあ
だけど嘘って大体ばれてるものだからその人は二重に悲しいんじゃないかな
少なくとも私は悪意のある嘘よりも、私を傷つけないように選んだ嘘をつかれる方が切ないし、気づいてないふりしちゃうからそれもまた嘘ついてるみたいであんまり好きな状況じゃないな
それは私が子供だからかな👶

今でも答えはわからないんだけど、それは写真を続けてる理由のひとつということに気付いた出会いでした😇

きっとこんなふうにたかきさんに出会った人はたくさん考えちゃうと思う。
こんなに愛に溢れた人なかなかいないから。


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