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碁盤斬り

先日、映画「碁盤斬り」を鑑賞してきました。この作品は元々人情物の講釈であり、それが落語の噺となって当代の名人の十八番として語り継がれ古典落語となったものです。そんな経緯のある作品を映画化するとあって、2時間の映画にどのように仕立てられるのか、落語とは異なる結末でどのように締めくくられるのか、興味津々で観ていました。

ここからはネタバレを含みますのでご注意ください。

主演の草彅剛は素晴らしい演技を見せてくれました。彼がこの役を手にするまでの年を重ねた時間が、この役に深みを与えていたのかもしれません。まるでかつて三浦友和が老け役を待ち望まれていたかのような、満を持しての出演でした。草彅剛の娘役を演じた清原果耶もまた圧巻の演技を披露しました。同時期に上映されていた彼女の主演映画『青春18×2 君へと続く道』とどちらを観ようか迷っていたのですが、この映画を選んで本当に良かったと感じました。脇を固める國村隼や小泉今日子も素晴らしい演技を見せてくれました。

映画の冒頭シーンは少し説明的に感じましたが、最後にはその伏線が見事に回収される展開が待っており、想像通りでありながらも楽しめる内容でした。また、勧善懲悪の物語であればとことん悪役を演じるべきであろう斎藤工も、そうではない役柄として登場し、この脚本の巧みさを感じさせるものでした。

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