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【映画速報】『PAST LIVES/再会』を観て。

「年齢が一回り違う」ことの意味をつい最近まで知らなかった。一回りって10年くらいかなぁと思っていたらピッタリ12年だった。干支の一回りを意味している。干支は日本だけでなく韓国でもポピュラーで生活に溶け込んでいるそうだ。

この映画はソウルで出会った初恋同士のノラ&ヘソンによる12年ごとの物語だ。12歳・24歳・36歳と一回りずつ描かれる。二人の間には「縁」があり、それは前世から輪廻してくるものだという。

NYは激しい雷雨だと天気予報では告げていたのに当日よく晴れたハドソン川沿いには、(おそらく)異性同士のカップルだらけで、そこに足を運んだ36歳のノラとヘソンもはたから見れば恋仲に見える。でも付き合ってはない。ノラには夫がいて、ヘソンは恋人との結婚に踏み切れない。

外野からどんなに覗き見して噂話したって、いまの二人の関係性はわからない。当人たちにしかわからない。そして二人が会話する最中も後ろでメリーゴーラウンドは廻り続ける。

ヒッキーは「between us」に電気のような何かがあると歌う。ノラの夫であるアーサーはヘソンに対して「You and I」にも縁があるのだとバーで告げる。その正体が嫉妬やさみしさであれ。

さらに言えば「これで関係はおしまい」と当人たちが区切っても、その先の二人の関係がどうなるかは全くわからない。外野はもちろん、まちがいなく当人たちにも。なぜなら来世を待たずに今世でも、まだ未来は何周も廻ってくるのだから。

※バナーは日本語版公式サイトからとりました。

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