見出し画像

天国旅行

おさらばするのさ
見えない鞄一つもって
一段
一段
のぼるのさ

外界の友人たちや
家族に
さよなら告げたいが

もうぼろぼろの肉体には
口が無いから

想い出トランクに入れ

また一段

また一段

上って逝くのさ

大好きな彼女の涙が
天国の階段で雨になっていく

骨だらけの遺骨を胸に大切そうに
抱きしめてるおふくろ

先逝く俺を許してくれ

ああ

光が見えてきた

鞄はもう思い出の露となって
散らばっていった

目玉の無いオイラにも
眩いくらい眩しくて
光が温かった

旅行も楽しいもんだ

#詩







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?