萩野なつみ 詩集『トレモロ』(注文チラシ付)
『遠葬』より4年。
萩野なつみの第二詩集が発行となります。
たたん、たたん
途上
鳴いたのは刻むため
去った星も
ほどける影も
☆
稲穂、凪いで
きしむ心音の
つづるゆくさき
雲の鱗のふちを
こまやかに舐める陽
きららかに
くずれてはのびて
追うようにおまえはゆく
いっしんに
まるでそこに
その果てに
みずからを埋めにゆくように
「あけぼの」より抜粋
身構える必要はなく、呼び出される光景に、浸ればいい。
感情はそのなかからやってくる。
栞文・暁方ミセイ