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幼くても大丈夫!楽しみながら学ぼうお金の使い方「お買い物あそび」

「ごっこあそび」は、親子やお友だちと盛り上がる楽しい遊びのひとつです。キャラクターになりきったり、家庭内の生活を真似したり……子どもなりにそれぞれの場面をイメージして遊ぶので、想像力はもちろん、発想力、コミュニケーション力など、期待できるメリットは盛りだくさん。そんなごっこあそびの中で、日常生活でのルールや社会のしくみを学べるあそびがあります。「お買い物あそび」です。

●小さいうちからお金の概念を伝えよう

「お金の概念を教えるにはまだ早すぎる」や「話しても理解できないのではないか」という考え方もあると思います。しかし、現代社会で生活するうえで欠かすことのできない「お金」について、小さいうちからあそびを通して触れ、経済感覚の基盤をつくっておくのは大切なことです。

買い物のしくみが分かると、持っているお金でどのくらいのものを買えるのかを考えるようになり、自然と「大切につかおう」という気持ちが生まれるでしょう。

小さいうちからお買い物あそびをするメリットは、あそびを通して「お金がないと物を買えない」「物を買うとお金が減る」など、お金は計画的に使用するものという感覚を養うこと。さらに、欲しいものがあっても簡単に買わない辛抱強さを育むことといえます。

●ステップを踏んで「お買い物あそび」を楽しもう

お買い物ごっこでは、おもちゃのお金を使用します。まずは「お金=物と交換できるもの」と理解するために、大人からこう話しかけます。

「○○ちゃん(くん)この絵本をそれ(お金)と取り換えよう」

お金の種類や価格はおいておき、交換(チェンジ)するという概念を体験させましょう。お金は物と交換できるものだと子どもの理解が進んできたら、次のステップに進みます。

ステップ2は、紙幣や硬貨の認識です。お金には、紙幣と硬貨があること、それぞれの種類や交換できるもの(価値)が異なることを教えます。おもちゃの食べ物や絵本、文房具などを並べて、お店づくりをするとリアルに楽しめますね。お客さんとお店屋さん、どちらになるかを決めたら、お買い物ごっこスタートです。

「このペンは1本100円だよ。どのお金で買えるかな?」

はじめは大人がお店屋さんになって、お金の出し方や紙幣、硬貨の価値を説明しながらあそびましょう。「200円のものは100円玉を2枚払うんだよ」「120円だから100円が1枚、10円が2枚だよ」と、分かっていなくてもいいので教えます。

次のステップでは、いくつかの物を買って、合わせていくらになるかを分かるようにします。

「バナナは1本50円だよ。2本買うといくらになるかな?(どのお金と同じかな?)」

子どもの年齢や理解度に合わせ、買う物の数を増やしていきましょう。計算ができるようになってきたら、「60円のニンジンを1つ買って、100円を出したらおつりはいくらかな?」と、おつりの概念も教えます。

近年のキャッシュレス決済の浸透で、現金を使用する機会が減少していますが、親子で買い物をした際には、できるだけ現金で買い物をする場面を見せてあげましょう。また、お店に迷惑にならない程度に「350円だから100円を3つと50円1つを渡すよ」と、子どもに実際のお金を見せて支払いをすることもおすすめです。

お金の役割と価値の基本概念を理解しておくと、成長して子ども自身がお金をつかう機会が増えたときに、自分の欲しい気持ちをコントロールし、節度のあるお金の使い方ができるようになります。この感覚は、社会生活をしていく上で大切なものです。一朝一夕で身につくものではないからこそ、お買い物あそびを楽しみながら、少しずつ経済感覚を養っていきましょう。