見出し画像

信頼は小さな約束の積み重ね。親子の「約束」を守る大切さ

私たちは日常生活の中で、子どもと様々な約束をしています。「誕生日プレゼントにゲームを買う」「次のお休みは遊園地に行こう」のような計画的なものから、「宿題が終わったらアニメを見よう」のように、少し先の未来に期待を抱かせて今してほしいことを子どもに促す「小さな約束」まで、どれも子育ての中でよくあるシーンですね。

これらに加え、つい口にしてしまうのが「マイナスの口約束」といわれるもの。「宿題をしないと夕飯なしだよ!」「片付けないならおもちゃを捨てるよ!」と、子どもを叱るために口にしてしまうあの言葉も子どもとの約束のひとつです。皆さんは守っているでしょうか?

●「今日だけね」は効果ゼロ!約束は守ろう

「マイナスの口約束」は、実際のところ、ほとんど守られていません。これは、はじめから守れない、守るつもりがほぼない約束だからです。

約束を守らなかった場合に本当に夕飯を食べさせなかったら、ネグレクトになりかねません。また、子どもが大切にしているゲームやおもちゃを捨てることも、実際にはなかなかできないものですね。

このようなマイナスの口約束をする時の親の気持ちは、その場限りのつもりで約束という意識をしていない場合がほとんどです。しかし、子どもはそうではありません。

たとえば「宿題を終わらせないとおやつはあげない」と約束したのに、「今日だけ!先におやつを食べたい」と言われ、つい「今日だけね」とおやつを先に食べさせてしまった場合、これは子どもではなく親が約束を守っていないことになります。

このような状況が続くと、子どもは「約束は守らなくてもいい」「どうせ口だけだから」と、約束に対する考え方が軽くなり、親に対しての信頼の気持ちを抱くことができません。
親が一貫して約束を守らないことにより、約束そのものがまったく効果のないものになってしまいます。

 ●子どもに期待される親になろう

子どもは、自分がどのように行動すると親が動いてくれるのかをよく学んでいます。親が約束は必ず守る、守らせるという一貫した態度を示していると、子どもは「自分との約束は必ず守ってもらえる」「約束を守らなかったら叱られる」という親への信頼と期待を抱くようになります。

決まった時間に宿題をする、遊んだら片付ける、のような日常的な約束を子どもが守れるようにするには、まず、親がどんな約束も徹底して守る姿を見せましょう。

たとえば「寝る前に絵本を読んであげる」と言ったら、必ず読むようにします。どうしても夕飯の片付けなどの家事で忙しくなると、「今日は遅いから、もう寝たほうがいいね」と、言いたくなりますが、それでは約束違反です。

親が約束を守らなければ、子どもは約束を守るようになりません

子どもは、自分がどのように行動すると親が動いてくれるのか、学びながら成長します。親が一度約束したら必ず守る、守らせるという一貫した態度を示しておくと、「自分との約束は必ず守ってもらえる」「約束を守らなかったら叱られる」という親への信頼と期待を抱くようになります。

できることなら、子どもとの約束を仕事の締め切りと同じレベルの真剣さで捉え、その重要性を実感してみてください。そして約束を守れない時には、その場で次の約束をし、必ず守ります。

親は必ず約束を守る、と子どもが期待するようになると、本をもう1冊読んでほしい、宿題の前にゲームをしたい……約束と異なる行動が受け入れられない理由が理解でき、ワガママも少なくなります。

「約束を守る」ことは社会生活の基本です。「子どもだから大丈夫」と簡単に子どもとの約束を破るのは、親のエゴや甘えではないでしょうか。親子だからこそ、子どもとの約束を守ることで親への期待を生み出し、約束の大切さを伝えられるのです。約束の先にある未来に期待を持ち、親を信じられる子どもを育てるためにも「約束は必ず守る」ことを心がけましょう。