気持ちの共感とリセットが大切!子どものイライラとの付き合い方
子どもが不機嫌なとき、どのように対応していますか?なだめようとしても落ち着かず、段々とこちらまでイライラしてきてしまう…という方も多いのではないでしょうか。今回は、日常で使える「子どものイライラを鎮めるポイント」をお伝えします。
●子どもの気持ちを認めて、共感する
「テストに合格できないから、水泳はやめたい。」
「ピアノの発表会、出たくない。」
「計算間違ってばかりだから、算数はしたくない。」
上手くいかなくて子どもがイライラしているとき、どんな声かけをしていますか?
「今のやり方が悪い、違う方法を探そう」「もっと練習しないとダメだよ」など、やり方やスケジュールを親が決めてしまうことはないでしょうか?
できるようになってほしいという親の思いからの言葉は、子どものイライラを助長してかんしゃくや口論につながり、親子ともにイライラが募るなど、悪循環を招くことになりかねません。
親はつい「できない」という現状を「できる」状態にするためにどう変えていくかに目を向けがちですが、その思考は一旦ストップしましょう。
子どもたちも当然、できるようになりたいと思っています。でもできない今の自分が悔しくて悲しくて、そんな感情の渦にのまれているときには、原因を聞かれても、解決方法を諭されても右から左。何も響かないどころか「わたしの気持ちをわかってくれない」とマイナスの感情が沸き起こってしまうのです。
そこで、まずは子どもの気持ちを認めてあげましょう。「できなくて注意されて悲しかったんだ」「いつもできるようにがんばっているもんね」と、お父さん・お母さんが受け止めてくれることで、子どもの体内で嵐のように渦巻く気持ちが少しずつ落ち着いていきます。イライラから気持ちを離し、気持ちをリセットさせてあげることが大切です。
リセットされ落ち着いた後で、どうすればできるようになるかなど、お父さん・お母さんのアイデアを伝えましょう。そのアイデアも絶対的なものではなく、ひとつの選択肢であると教えてあげることも忘れずに。
習い事など、先生がいれば先生に親子で相談して解決方法を聞くのも良いでしょう。「先生に〇〇ちゃんの気持ちを伝えて、どうしたらいいか聞いてみようか」と一緒に解決していこうとサポートの気持ちを差し出すと、子どもの安心につながります。
その他、おじいちゃん・おばあちゃんに聞いて、たくさんの解決方法があることを知れば、「できるようになる」という心強さが沸き起こってくるのです。
●優先するのは子どもの気持ち
注意したいのは、
「ここまで習ってきたんだから諦めないで。」
「せっかくドレス買ったんだから、発表会は出よう。」
「せっかくスケジュール立てたんだから、こなそうよ。」
と、親の気持ちを最優先して言葉をかけることです。
子どもの気持ちを無視した声かけが、プラスの効果をもたらすことはありません。今どんな気持ちなのかだけを受け止めて、「あなた次第だから好きに決めていいよ」というスタンスでいましょう。
「お母さん、発表会が近いけど全然できないから助けて」と自分からヘルプのサインを出せたら大したもの。自分で解決へ向かう行動ができたという実績になるのです。
親がしてあげられるのは、感情を受け止めてリセットさせること。とはいえ、実際はそううまくはいきません。どんな風に対応をしてもかんしゃくがおさまらない、聞く耳を持たない、という子も多いのではないでしょうか?
そんな時は少し距離をおいて見守ってあげたり、「おやつにしようか!」と気分を紛らせたりするだけでも良いと思います。イライラから離れることさえサポートしてあげれば、ポジティブな気持ちが自然と芽生えてきます。そして、解決につながる行動へ自然と向かっていけるようになるのです。
子育ては大変なことばかりです。そんな中で、子ども、そしてお父さん・お母さんが少しでも穏やかでいられるのが一番。親の無理のない範囲で子どもと同じ目線に立ち、イライラの根っこにある悲しい気持ちや悔しい気持ちを共有しましょう。