見出し画像

愛をこめて言葉をかけよう。子どもの知力を伸ばす環境づくり

「子どもは幼ければ幼いほど環境から受ける影響が強く、知能レベル、性格ともに、大きく変化を受ける。よって、子どもの環境に、どのような刺激を与えるかが、子どもの知能を伸ばすのに大きな影響をもつ」

20世紀の著名な教育学者、シカゴ大学のベンジャミン・S・ブルーム氏による乳幼児教育に関する研究から述べられた言葉です。

また、医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリ氏によると、0~6歳の乳幼児期の子どもの脳には、環境からものを学び取る「敏感性」と呼ばれる高度な働きがあるのだそう。

ほかにもさまざまな生物学的研究により、教育においては重要な時期であることがわかってきた子どもの誕生直後から乳幼児期。我が子が持って生まれた能力を引き出すために効果的な環境とはどのようなものなのでしょうか。

●乳幼児期に行う早期教育のゴールは?

子どもの能力を伸ばす環境づくりというと、知識の詰め込みを主とする早期教育を連想する方が多いと思います。しかし七田式が提唱し、実践している早期教育は、それとは異なり、脳、とくに右脳が柔軟な幼児期に適切なインプットを行い、子どもが本来持っている力を引き出せるよう、脳の土台づくりをするものです。

子どものうちにしっかりとした土壌をつくり、水や肥料となる適切な刺激を与えることで、子どもが本来備えている才能の開花を目指しています。この教育で必要なのは、親から子どもへの無条件の愛情です。子どもが愛と幸せを感じられなくては、才能を引き出すことはできません。

子どもに知識や技能を身につけさせようと、一生懸命になりすぎていませんか。もちろん子どもを思う気持ちあってこそなのはわかりますが、子育てで最優先すべきは子どもの幸せであり、しつけや教育の目的は、我が子が幸せな人生を歩むことです。

この目的を忘れて「ノルマだからやりなさい」と親が支配的な態度で接していると、子どもの脳が拒絶し、親に対する信頼感も抱くことができません。心が閉ざされてしまうと、何も身につけられないまま時間が過ぎていくことになり、悪循環です。

子どもの才能を伸ばすために親がすべきことは、知識を与えることではなく、能力を存分に発揮するための適切な環境を提供すること。まずは子どもが親の愛を存分に感じて幸せを実感できる環境を整えていきましょう。


●乳幼児期こそ積極的にしたい「言葉かけ」

現代では、それぞれが思い描く未来に向けて自ら課題を見つけ、考え、判断する行動力が求められています。子どもが幸せな人生を歩むために必要なこれらの土台づくりは、実は乳幼児期から始まっています。

言葉は考える力の土台です。高い言語能力を身につけるには、多くの言葉を聞いて育つことが必要です。生まれたらすぐにでも赤ちゃんへの言葉かけを始めましょう。赤ちゃんが目覚めているときは、絶えず言葉をかけ、たくさんの言葉に触れるように育てていくと、自然と豊かな言葉を獲得し、精神発達が進みます。

ただし、テレビやパソコンでアニメや子ども向けの番組を流しっぱなしにして頼りにするのは控えめに。子どもの脳は、親からの言葉かけによって発達し、同時に心も豊かにしていくことを忘れないでおきましょう。

赤ちゃんへの言葉かけとしておすすめなのが、生後1ヶ月からできる「家具めぐり」です。赤ちゃんを抱っこして家の中を歩きながら「これはテーブルだよ」というように身のまわりのものを指さして聞かせるあそびです。

その他、絵本の読み聞かせをはじめ、おしゃべりができるようになったら親が積極的に子どもの話し相手になるなど、家庭内に温かな言語環境をつくっていきましょう。

生まれてすぐから親の愛がこもった言葉を浴びて育ち、豊かな言葉と会話の中で育った子どもは、思考力が高まり、活発な子どもに育っていきますよ。