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Amazonで麦茶を買うだけで、年間6万円も得して、両親に贅沢な旅行をプレゼントし、さらにおつりまでついてきた話。

我々の生活はマーケティングに支配されている。働いていないほとんどすべての時間、マーケティングに踊らされ、余計な出費をし、時間を奪われ、本当に自分のためになる時間を過ごせていない。

現代のマーケティングはとても巧妙にできている。あこがれを誘うポスターやCMはわかりやすい方で、一見それとは気づかない罠があちこちに仕掛けられている。

それは例えばSNSで、ユーザーの関心をひく「いいね」の通知や、気を引く面白いコンテンツをおすすめするなどの様々な機能によって、SNS上での滞在時間を引き延ばし、広告を大量に見せてユーザー自身を商品化している。

現代のマーケティングが悪質なのは、人々を無意識レベルで消費に向かわせることで、よほど注意していなければ自分がカモにされたことにすら気づかない。

逆に考えれば、自分の無意識な消費行動を自覚して手をうてば、それだけで大きく出費を減らせたり、本当に自分のためになる時間やお金の使い方ができるようになる。いわゆる行動経済学を逆手にとって利用することによって、自分のクオリティ・オブ・ライフをあげることができるのだ。

コンビニの出費がデカい

SNSの他にも無意識レベルで消費させられているものがあなたの周りにもある。そのひとつがコンビニだ。コンビニの出費は1回1回の金額は小さくても、まとめるとバカにならない。

なぜ、コンビニで出費してしまうのか?行動を振り返ってみよう。あなたにも思い当たるフシがあるハズだ。


午前10時。リモートワークをしていると集中力が切れてきた。喉も渇いてきたが、冷蔵庫の麦茶を切らしているみたいだ。気分転換ついでにコンビニの麦茶を買いに行こう。

徒歩3分。コンビニに入ったらまずは麦茶を探して取る。麦茶1リットル、108円(税込116円)。ミネラルも取れるし、1リットルでこれはお安い気がする。

それから、店内を少し物色する。新作のシュークリームが売っている、試してみよう。シュークリーム165円(税込178円)

午後のおやつも欲しいかも。グミも買っておこう。114円(税込123円)

健康のために野菜ジュースは買っておこう。100円(税込108円)

さて、こんなとこにしておいてお会計。

あら、レジの横のファミチキが美味しそう。うーん、やめておこうか。でも、昨日の夜はジム行ったし?ファミチキ1つ167円(税込180円)

合計で税込705円になります。Tポイントカードはありますか?」

麦茶だけを買うつもりが、600円弱も追加で無駄な出費をしてしまった。しかも、砂糖と質の悪い油で、健康にもかなり悪い。

飲み物をコンビニで買わなければ出費を大きく減らせる

行動を振り返ってみると、麦茶の購入がトリガーとなって無意識なついで買いが発生し、余計な出費をしていることがわかった。

こう言われてみれば「なにを当たり前のことを」と思うかもしれないが、指摘されなければ、「自分は最初からすべての商品が欲しかったから買ったのだ」と思っているハズだ。認知の歪みによって、人は後から自分を正当化して納得している。フェスティンガーの認知的不協和理論だ。

コンビニのマーケティング戦略は、必要なものをきっかけに来店させ、ついで買いをさせることによって余計な出費をさせることだ。そして、そのきっかけは飲み物であることが多い。その証拠にコンビニの商品の配置は、もっとも奥にお酒やお茶などの飲み物コーナーがあり、それからレジとの間にスナックや甘味がおいてあり、レジ横にはダメ押しの揚げ物がおいてある。

飲み物を買うためには、他の商品を必ず見なければいけないのだ。レジの前に並んで待つ間に、時間をかけて油たっぷりの肉を見せられたら、誰でも欲しくなってしまうものだ。本当によく考えられて店舗設計がされている。

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コンビニの店舗レイアウト例 人は反時計回りに回る習性があるらしい。

シン・脱コンビニ習慣作戦

ついで買いによる出費を減らすための、新しい習慣を作らなければいけない。

良い習慣化のコツは、我慢をしないこと。なるべく自分の意思決定の回数自体を減らすことだ。

コンビニに訪れるたびに、「ついで買いをしないように頑張ろう」と念を唱えるのは最悪の打ち手。2、3回目には忘れてまた同じことを繰り返している。

一度決めてしまえば自分で判断しなくても、勝手に続けられるようなしくみを作ると良い。コンビニに入ったら無意識についで買いをしてまうようなしくみを、自分に都合の良い方向に活用するのだ。

そこで、麦茶をAmazonで月一回の定期購入に切り替えることにした。そもそも店に行かなければ、ついで買いも起きない。

定期購入割引があるので、1本あたり税込160円。1リットルあたりの金額は80円なので、コンビニより28円安い。月8本×2L×12ヶ月×28円で年間5,376円の節約。

しかし、そこで節約できる金額よりも、ついで買いを減らせたことが大きい。

単純に計算してみて、年間にしてみれば6万円もの節約になっている。3日に一回麦茶をコンビニに買いに行くとして、月10回の来店。実際はもっと行っているかもしれないが、麦茶がトリガーになっているのはそのくらいだろう。

1回あたり平均500円くらい余計な出費をしているとすると、月5,000円にもなる。月5,000円程度かと思うかもしれないが、年間にしてみれば6万円である。

Amazonで麦茶を月1の自動購入にしただけで、年間6万5,376円も節約できて、さらに健康までもついてくる。こんな素晴らしいことはない。

浮いた6万円で両親に星野リゾートをプレゼントしてみた

4人の子育てに追われていた両親は、なかなか贅沢をする余裕はなかった。親孝行になるかと思って、浮いた6万円を使って星野リゾートの宿泊をプレゼントしてあげた。割引きを使って2人で税込56,000円。

夫婦水いらずで、ずいぶんはしゃいで楽しんだらしい。

ついで買いは無意識な出費だったので、無くなっても我慢をしているという感覚はない。両親は思い出ができて幸せになり、それをプレゼントしてあげた自分も嬉しい気持ちになる。さらに以前より健康になって、将来の医療費も減らせるので、デカすぎるお釣りだ。

おいおい、星野リゾートのマーケティングに引っかかっているって?

これは、周りの人を幸せにする、「意識的な」お金の使い方だから良しとしよう。何に使ったかも忘れてしまうような「無意識な」ついで買いよりは、はるかによいお金の使い方なはずだ。

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