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新潟に移住して一年、人生で最良の選択を振り返る。

一年前の今日、僕は故郷の新潟にUターン移住する決意をしました。
その決意表明の内容はこちらのnoteを是非ご覧いただければと思います。

さて、今回の記事では、およそ10年ぶりに故郷に戻って1年暮らしてみてどうだったかを綴っていきたいと思います。

結論から述べると、僕の人生はこの1年で大きく変化しました。自分では想像もしていなかったほどに。
ただ、変化することは必ずしも良いことだとは限りません。にも関わらず、この記事のタイトルは「人生で最良の選択」と書きました。
いったい何が最良だったのか、この一年を振り返りながら伝えていこうと思います。

きっと世の中には移住をしようか迷っている人もたくさんいると思うので、この記事が少しでも参考になって、前向きに考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。

長文ですが、良かったらご覧ください。

決意は突然に

そもそも移住を決意したのは、とあるNHKのニュース記事がきっかけです。

この記事を読んで、その当日に移住の決意をして、noteに決意を書きました。

実はこの直前まで、東京都内で新しい住居を探していました。2020年の年明けごろから、より便利なところに引っ越そうと思って物件を探しはじめて、代々木上原に良い物件を見つけて契約しよう!としていた矢先に新型ウイルスの感染拡大、そして緊急事態宣言が発令されたのです。

何となく、都内はこれから大変なことになりそうだし、しばらく海外にも行けなさそうだし、物件探しは一旦ストップかな・・・と思っていたところに、この記事と出逢いました。

緊急事態宣言が発令されてからしばらく家の中に引き篭もって仕事をしていて、「あれ?こんなことならどこに住んでいても変わらないのでは?」という気持ちと、「オンライン会議が普及したことによって地方でも働きやすくなるのではないか?」という仮説、そして何よりも「いつか帰りたいと思っていた故郷に戻るなら、今しかないのでは?」という想いが溢れてきて、決意するに至ったのです。

居住環境の変化

移住を決意してから一番最初のビッグプロジェクトは、当然ながら「家探し」でした。
今まで東京で家探しをしていたところから一転して、「せっかくなので新潟らしい暮らしを」というテーマを設定しました。
新潟らしい暮らしといえば、例えば車での生活だったり、東京よりも広々とした空間だったり、実家との距離だったり・・・せっかくなので東京ではできなかった暮らしをしたいなと思ったのです。

数週間探して、結果として一軒家を賃貸することにしました。今まで10年以上、アパートやマンション暮らしをしていたので、とても新鮮でした。庭があるってどんな感じだろう、車を止めてすぐに家に入れるってどんな感じだろう、2階があるってどんな感じだろう・・・
結果として、とても暮らしやすくなりました。東京に住むことに比べたら遥かにリーズナブルで、広い家に住める!当たり前だけど居住環境の満足度は格段に上がりました。

新潟ベンチャー協会

新潟に戻ってから様々な活動をここ一年でしてきましたが、まずは一番力を入れている「新潟での起業家の創出・支援」について。

昨年立ち上げた新潟ベンチャー協会(NVA)の代表理事に就任させていただきました。NVAは、新潟県内や新潟出身の若手経営者が集まり、新潟のベンチャーシーンを盛り上げていこうという協会です。民間主体で、地域発でこういった取り組みをしているのは珍しいケースで、最近では新潟以外の自治体からもよく参考にしたいとヒアリングされるようになりました。

そんな新潟ベンチャー協会が主催するピッチコンテスト(NVAピッチ)の参加者をちょうど募集しているので、良かったら是非ご応募ください!

ちなみに昨年度の優勝者は順調に事業成長し、NVAでは積極的に支援活動を継続しています!

長岡高専の客員教授に

こちらも起業家育成の一環ですが、母校である長岡高専の客員教授を拝命しました。

これまでフラーでは長岡高専をはじめ高専との連携を積極的に行ってきたのですが、こちらはその取り組みの延長線になります。
一体何をやりたいのか?というと、長岡高専ではお陰様でここ数年で起業家がポンポン輩出されるようになりました。ところが、まだまだ「再現性」が足りないと思うのです。気運醸成によってたまたま起業家が生み出されただけであって、教育と呼べるレベルには達していない。教育と呼ぶからには、どんなカリキュラムでどんな風に教えたら起業家が育つのかという体系化が必要で、継続的に生み出される再現性が重要なのだと思うのです。
新潟ベンチャー協会の活動だったり長岡高専での取り組みだったりを通じて、だんだんと僕の中でも「こうしたら起業家が生まれて、育ちやすいのではないか?」という答えが見えてきた気がしているので、これから益々新潟のベンチャーシーンを盛り上げるべく頑張ります。

アルビレックス新潟オフィシャルクラブパートナー

これが僕の中ではこの一年で最もエモい出来事でした。

小さい頃の自分にユメを与えてくれたアルビレックス新潟。いつか会社が大きくなったらアルビのパートナー企業になりたいとずっと想っていたので、これは本当に嬉しかったです。アルビへの熱い想いは語り始めるとキリがないので、こちらを良かったらお読みください。

アルビのパートナー企業になって何が一番良かったかというと、「まず何よりも、毎試合が楽しみでしょうがない!」これにつきますね。アルビのお陰で、本当に週末が楽しみで、勝つと本当に嬉しくて、とても充実した新潟ライフになっています。愛する地元で、愛するチームを、愛する人たちと応援する。こんなに幸せなことは、人生なかなかないと思います。
そして、ビッグスワンで他のパートナー企業の方々と交流ができたり、アウェイに観戦に行った時には相手チームのパートナー企業の方々と交流ができたり、Jリーグのお陰で様々な出逢いに恵まれました。先日Jリーグは誕生から28周年を迎えましたが、まだ28年しか経ってないことにビックリ!僕より若いんですよ、Jリーグ。
Jリーグは、スポーツの中で最も地方創生に貢献している仕組みだと思っています。地域に根差した愛されるクラブが各都道府県にあって、そして試合を通して地域間の交流も生まれる。何より、地元の人や企業が地元のクラブを応援することで地元愛が育まれる。みんなが一つの目標に向かって一致団結する。こんな素晴らしい仕組みをつくってくれて、本当にありがとう。

YouTuberデビュー

もう一つ新しく始めた取り組みといえば、YouTuberデビュー!笑
TwitterやFacebookやnoteなどSNSは元々好きだけど、YouTubeだけは遠慮していたのですが、新潟の魅力を広く伝えたいということで始めてみたのです。

最近はもっぱらアルビのチャンネルみたいになってきてますが(笑)、お陰様で徐々にチャンネル登録者数も増えてきて、最近ではスタジアムでYouTube見てます!とお声がけいただく機会も多くなってきました。

やり始めてみて気づいたのは、Twitterなど他のSNSとは全然ジャンルが違うということ。YouTubeで初めて僕や会社の存在を知っていただけるケースも増えてきました。何より、いつもたくさんのコメントをいただけて、アルビサポーター・新潟県民の皆様の温かさを感じる日々です。アイシテルニイガタ。

テレビ・ラジオ出演

新潟に戻ってきてから、地元のテレビやラジオに数多く出演させていただくようになりました。
少し紹介すると、今年度からBSNさんの夕方のニュース「ゆうなび」にて、隔週で金曜日に「ど〜いん新潟+」というコーナーを担当させていただいております。

番組をご一緒させていただいている麦島アナウンサーの生年月日がなんと一緒で、不思議なご縁を感じております。(1988年9月15日生まれ)

また、新潟のおもしろ動画を取り上げるNSTさんの新番組「潟ちゅーぶ」にも不定期で出演させていただいております。

こちらはバラエティ要素が強いので、自分としてはチョッピリ難しいなと感じています(笑)。真面目な話はしないでくれと言われています(笑)。

個人的には真面目に語るニュース系の番組の方が得意だなと気づきました。そして何より、アナウンサーや芸人さんたちのトーク力が凄くていつも勉強させていただいております。

あとは、アルビレックス新潟の試合中継の副音声をUXさんで担当させていただいたのも、とても楽しかったです。ただのガチサポーターとして応援していただけですが・・・(笑)

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また、新潟だけでなく全国雑誌やウェブメディアなどにも数多く取り上げていただきました。

「地方に移住した起業家」「地方創生と経営」「地方企業・自治体とDX」みたいなテーマで呼んでいただくことが増えて、全国的にも注目されるテーマに関わることができて嬉しく思っています。

新潟への本社移転とNINNOの誕生

フラーの本店登記を新潟に移転するというビッグイベントもありました。コロナ禍でパソナさんが淡路島にというのも話題になりましたが、こちらも多くのメディアさんに取り上げていただきました。

個人的には、ずっとこれが夢だったので実現できて嬉しかったです。
そして、そのフラー新潟新本社が入居しているのが、新潟駅前に新設されたイノベーション拠点「NINNO(ニーノ)」です。

新潟にせっかく来てくれた人たちがワクワクする場所がほしい!新潟にシリコンバレーに負けないようなイノベーティブな空間が欲しい!という夢を、オーナーの木山産業さんが実現してくれました。見学に訪れる人々が口を揃えて「新潟にこんなものがあるなんて!」と言ってくれるので、とても嬉しいです。

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こちらの新オフィスはとっても気に入っていて、これから入居企業の皆さんと様々なコラボレーションが起こせるのを楽しみにしています!

KDDIと新潟大学との提携

地方での起業家育成を精力的にやっていたら、志を同じくするKDDIさんからお声がけいただき、新潟大学との連携をご一緒させていただくことになりました。

KDDIさんといえば、スタートアップ企業が選ぶイノベーティブ大企業ランキングで3年連続1位の、日本のベンチャーエコシステム創出に最も貢献してきた企業です。連携担当の松野理事も、起業家育成と地方創生にとっても熱い方です。

そんなKDDIさんと新潟の地で、新潟大学さんと一緒に起業家育成に取り組めるのはとても嬉しいことなのです。
ちなみに、連携している伊藤先生は、シリコンバレーにも在任されていたことがある新潟大学の起業家育成の第一人者。

こういったキーマンの方々と一緒に故郷を盛り上げていけるのは、とても楽しいです。

書籍の査読と協力

こちらも新しい取り組みですが、最近では書籍の査読に初挑戦させてもらったり、先述の伊藤先生の著書に協力させていただいたりもしました。

こちらは査読に協力した「This is Lean」。リーン・スタートアップをはじめ「リーン」という言葉は最近聞き慣れるようになってきましたが、まだまだ本当に理解している人は少数なはず。こちらの書籍では、「フロー効率」という概念を提唱してリーンを実用可能な知識にしようと試みています。
とっても良書なので、スタートアップのみならず、全てのイノベーションに関わろうとしている大企業・自治体の方にもご一読いただきたいです。

そして、こちらは協力させていただいた新潟大学伊藤先生の著書。

もうね、書籍のタイトルからしてエモいですね。
「にいがたアントレプレナー学」
この一冊を読めば、新潟というエリアで今、起業家を増やすために何が行われているのか?どんな人たちが汗をかいているのか?そもそも起業家とはどのようにして生まれるのか?
そんなことが全部まるっと書いてあります。こちらは起業家のみならず、もはや全ての新潟県民に読んでいただきたい一冊であります。

他にも色々と

この他にも、この一年で本当に様々な活動をしてきました。講演登壇を多数行ったり、若手の起業家を合宿に連れて行ったり、新潟に訪れていただいた経営者や友人を新潟観光フルコースでお出迎えしたり。

たまに、「渋谷さんって何人いるの?笑」と冗談で言われたりしますが、それくらい熱意を持って行動し続けた一年だったと思います。だって、せっかく愛する地元に帰ってきたんだから、悔いのないように精一杯貢献したい。自分が生まれ育った街を、少しでも元気にしたい。少しでも多くの人に喜んで欲しい。

そんな想いで日々活動していますし、これからもそうし続けるつもりです。

結論:住む場所を変えるのが、人生一番変わる。

これが、この記事の結論です。言いたいことはこれだけです。

大前研一さんが、「人間が変わる方法は3つしかない」と仰っていました。

① 時間配分を変える
② 付き合う人を変える
③ 住む場所を変える

この中でも僕は、実際に体験した者として、最も人生が変わるのは3つ目の「住む場所を変える」だと確信しています。
なぜなら、住む場所を変えれば、それに応じて他の2つも自然に変わるからです。住む場所が変われば、付き合う人は自然に変わります。新潟の人たちと過ごす時間が圧倒的に増えました。そして、時間配分も変わります。海に行ったり山に行ったり、バーベキューしたりキャンプしたり、圧倒的に自然と触れ合う時間が増えました。

だから僕は、人生を変えたいと思っている全ての人にこう伝えたい。

「人生を変えたければ、まず住む場所を変えましょう。」

断言しますが、これが一番手っ取り早いです。なぜなら、この記事で長々と書いた全てのことは、これまで1年間で生じた全ての事象は、住む場所を変えていなかったら起こらなかったことだからです。

そして、僕は昨年の今日、住む場所を変える選択をして本当に良かったと心から思っています。間違いなく、今までの人生で最良の選択をしたと、自信を持って言えます。

愛する故郷で、愛する人たちと、愛するチームを応援しながら、人々や地域のために活動ができる。こんなに幸せなことはありません。

人生は、たった一度きり。
皆さんも是非、人生最良の選択をしてみませんか?

2021年5月17日
渋谷修太

サポートいただいたお金は、母校である高専や故郷の新潟など、後世や地域のために活用したいと思います。 よろしくお願いいたします!