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なぜこうなった?【ホラー映画を毎日観る人】(202日目)「プー あくまのくまさん」現在上映中

「プー あくまのくまさん」(2023) 
リース•フレイク=ウォーターフィ監督

◆あらすじ
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クリストファーロビンは大学進学のため100エーカーの森を去っていった。その後プーたちは飢餓に苦しみ、クリストファーロビンを筆頭に人間達を憎み、復讐を誓う。5年後、恋人を連れ久々に森を訪れたクリストファーロビンだったがそこにいたのは見る影もないプーやピグレットだった。
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☆公式サイト

1926年発表の「Winnie-the-pooh」の著作権保護期間が終了しパブリックドメイン化したことにより実現した作品となっています。
(細かいことはよくわかりませんがティガーの著作権はまだ残っているらしく今作には登場していません。)

前々からかなり話題になっており、非常に楽しみにしていましたが正直なことを言うとホラー映画としてはかなり微妙でした。

プーさんやピグレットはグロテスクで気持ち悪く、何も喋らないことによる怪物っぽさや強キャラ感があり、実際めちゃめちゃ強いです。プーさんが当たり前のように蜂の大群を操るシーンも面白いです。
クリストファーロビンを心の底から憎みきれずにトドメをさせないプーさんの葛藤や苦悩が垣間見えるのもバックボーンや過去の関係性などが想像できて良かったです。
あと人間側がプーさんたちに怯えると同時に「なんだこいつ?」みたいなリアクションになるのも面白かったです。

ですがホラー映画としてはかなりテンポが悪く、所々で予定調和に感じる部分もありました。
冒頭で捕われたクリストファーロビンは後半まで出番はなく、アリス達のパートは関係性がよくわからず、台詞のやり取りもまどろっこしかったです。

プーさん達に襲われている緊張感のあるシーンで

「〇〇が裏口から出ていったかも」
「じゃあ裏口は開いたままだわ」
「裏口を閉めてこなくちゃ」
「裏口を閉めたら戻ってくるわ」

という明らかに無駄なターンのある会話をしたり、

プーさんを追い払おうと振り回した松明が消された時にわざわざ「火が消えたわ」と言ったりするのがどうしても気になってしまいました。

行方不明者が続出している100エーカーの森にアリス達がわざわざ小旅行に訪れたり、アリスの護身用の銃がえらくゴツかったり、その割には弾が一発しか入ってなかったり、捕われていた全然関係ない女性がピグレットとタイマン張ったり、オープニングにいたはずのラビットやオウルが本編に登場しなかったりとツッコミどころは本当にたくさんあります。

どういう事情でこの作品を撮ることになったのかはわかりませんがせっかく国民的キャラクターのプーさんを題材にホラー映画を撮るのだから“製作費10万ドル以下”という低予算を売りにしてしまうのはちょっともったいないなと思いました。

続編がすでに決まっているようなので次回はもっと予算が潤沢であることを願っています。

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