見出し画像

最恐のだるまさんがころんだ【ホラー映画を毎日観る人】(279日目) 「シライサン」

「シライサン」(2020)
安達寛高(乙一)監督

◆あらすじ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
“ 何者かに怯えながら眼球が破裂して死亡する”そんな不可解な親友の死に直面した女子大生の瑞紀。そして同時期に同じ死に方で弟を失った春男。二人はこの事件の真相を探るうちにとある怪談話にたどり着く。暗い夜道、鈴の音と共に現れ、どんどん近づいてくる異様に目の大きな女性“シライサン”。その名を知った者を次々と襲うシライサンの呪いに瑞紀と春男は図らずも巻き込まれてしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大好きな小説家の一人である乙一先生が監督、脚本、原作全てを担当した長編映画監督デビュー作でもあります。
1996年16歳の時に「夏と花火と私の死体」で第6回ジャンプ小説大賞を受賞して以降もヒット作を出し続ける一方で、安達寛高や中田永一などの別名義でも小説を発表したり、映像作品の脚本執筆や監督としても活動されていらっしゃいます。

原作を読んだ時は“シライサンはどんな姿なんだろう”と想像することしかできませんでしたが、原作者である乙一先生ご自身が監督を務めることで一切齟齬のない本物のシライサンが生み出されています。

細部へのこだわりも感じます。

もちろんハイレベルなビジュアルの怖さを誇りますが見つめ合っていれば近づいても来れず何もしてこないので後半からはなんだか愛らしさする感じてしまいます。

だんだん可愛く見えてきます。

本編自体は瑞紀と春男が真相を追う展開に記者の間宮が合流していく流れが非常に自然で最後まで緊張感を保ったままでとても面白かったです。シライサンの呪いによって殺された富田の遺体を発見した時の看護師役の方の悲鳴と演技が素晴らしかったです。

全ての元凶と言っても過言ではない酒屋のお兄ちゃん役
染谷将太さん

シライサンは相手に見られている間は近づけないという弱点を失った愛娘や友人の幻覚を見せることでそちらに意識を向けてその隙に近づいて襲うという中々の策士で、最後の電車のシーンはもはやズルなんじゃないかと突っ込みたくなるほどの手口も見せてくれます。

この記事が参加している募集

#映画感想文

67,197件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?