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Flexform のミニマリズム

まずFlexform の展示を見ていただきたい。何を感じるだろうか。

これは本会場での展示だが、ブースの中央に大きな通路が一本あるのみで、訪問者は一切家具に近づくことが出来ない。家具の展示会なのに、家具に触れられないとはどういうことか。
展示方法は、まるで、博物館で重要文化財を距離を置いて見物しているかのようである。

白いソファー、ローテーブル天板、照明。
べージュのコーヒーテーブル、カーペット、椅子、ローテーブルの脚、収納
白いソファー、ローテーブル天板、照明、カーペット。
べージュのコーヒーテーブル、
ブラウンの椅子、プッフ、パイピング
白いソファー、ローテーブル天板、照明、カーペット。
べージュのコーヒーテーブル、ローテーブルの脚
ブラウンの椅子、プッフ、パイピング
白いソファー、照明、カーペット。
ブラウンのシェーズロング、中央プッフ、コーヒーテーブル

今年の、Frexform は徹底的に色数をそぎ落とした、ミニマルな商品となっている。
インテリアで使用されている色は、白、ベージュ、ブラウンの3色、エクステリアではそこにグレーもしくはシルバーが追加される。一部の空間は2色で構成されている。

ここまでそぎ落としたにもかかわらず、石、川、木、ファブリック、と複数の素材が使用されているためとてもリッチだ。非常に思い切ったアートディレクションだと私は感じる。

近年、色を多用するブランドが増える一方、Frexformは色を使用しない方に舵を切った。
例えば、カッシーナはカラフルであり、マーケットの多様化に合わせているが、Frexformはマーケットの絞り込みにフォーカスを当て、意図的に差別化を図っている。

また会場での展示方法も、訪問客の立ち入りを禁止することで、彼らのコンセプトをよりクリアに伝えるのに成功している。商品に触れたい場合は、ミラノの本店を訪れれば良いのだから。今後はこのような展示方法が会場では主流になるのかもしれない。本会場では、ブランドのコンセプト、ストーリー、ファンタジーをより明確に伝えることにフォーカスし、セールスはショールームにて行うという流れになるのかもしれない。

そうすることで、彼らの目指すマーケットをクリアにできる。今回の新作は非常に成功していると言える。

エクステリアには、ポルフィドの天板 赤みのグレーが追加されている。


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