見出し画像

食育インストラクターなのに食育を止めた話

note105日目。
今日は食育について書いてみたい。

私は食育インストラクターの資格を持っている。
第一子を出産した数か月後後、私は何を思ったのか、

ちょっと暇だから何か勉強したいな。
せっかくだから子育てに役立つものがいいな。

と考えるようになった。
その時ふと、食育という言葉を思い出した。
料理は好きだし、食は大事にしているし、と思いながら調べてみたところ、食育インストラクター、食育アドバイザーなど食育に関する資格がいろいろあると知った。

私はその中の食育インストラクターを選び、申し込んだ。
後に学習が滞り、期限ギリギリで課題を提出することになるとは知らずに…。

今までにやったことのない通信講座。
数日してたくさんの教材が届いた。

私は妊娠後期に駅で倒れたこともあって、予定よりずっと早くに産休に入った。予想外のタイミングで仕事から離れなくてはならず、学びや刺激に飢えていたのだと思う。
教材が届いてから、最初は調子よく学習を進めた。

食は人を良くすると書く、という言葉に、たしかに!!と思ったり、
個食・孤食についてを考えたり、

それまでに学んだことのないことも多く、学習にのめりこんだ。

ところが、始めてから数か月して離乳食が始まり、子どもにも手がかかるようになり学習が止まった。何度も再開しようと思うのに、なかなか出来ない。そんなジレンマを抱えながら時間だけが過ぎていった。

ある時、講座の期限が迫っているお知らせが届いた。
たしか講座開始から半年間の期限だったと思うが、そんなに時間が経っている自覚が全くなかった。とても焦った。

今の私なら、もういいかーと諦めたのではないかと思うが、当時の私はせっかく申し込んだんだから、ちゃんとやらなきゃという思いが強かった。
だから、睡眠時間を削って教材をみたり、子どもを抱っこひもに入れてお昼寝させながら教材を読んだりして課題を提出した。

その結果、無事に資格を取ることが出来た。

第二子が生まれた後、私は食育インストラクターとしての活動を始めた。
お母さん向けの講座を開いたり、小学校の放課後クラブで食育のレッスンを持たせてもらったこともある。

もちろん家でも食育は意識していた。
食べ物そのものというより、食卓を囲むことで心を育むことを重視した。
リンゴ狩りや野菜の収穫にも行ったりした。収穫した野菜や果物で子どもと一緒に調理もした。

私は子どもが生まれてから10年間食育を意識してきた。
だが、ニュージーランドに来て私は変わった。
食育へのこだわりを捨てた。
食卓で心を豊かにするという考え方は変わらないのだが、お弁当に野菜と炭水化物とタンパク質と…といったことを考えるのをやめた。
なぜなら、ニュージーランドの学校では、子どもたちはテーブルを使って食事をすることがほとんどないし、昼食時間が15分だから。
時間内に簡単に食べられるものを持たせる方がよい。

食育をやめたというのは嘘になるが、「あるべき姿」を目指さなくなった。
今日も子どもたちは宅配ピザとポテトだった。
でも、それでみんなが幸せならそっちを大事にした方がよいと今は思える。
それが毎日続くわけでもないし、いつでも戻すことが私は出来る。

食は人を良くすること。
そこをちゃんと意識できるのが大事だなと改めて感じている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?