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団地でクラフトビール?〜「団地キッチン」田島〜

団地でクラフトビールを醸造している場所があるとご存じでしょうか?
昨今、クラフトビールが流行っていますが、まさかの団地でもクラフトビールが飲める施設が誕生しました。
今回は団地内にある元銀行の建物を、シェアキッチン、カフェ、ブルワリーが備わる複合施設に改装した「団地キッチン」田島を紹介します。

UR賃貸住宅「田島団地」の入口にある銀行跡地に、「団地キッチン」田島は位置しています。JR西浦和駅から徒歩約2分とアクセスはとても良いです。
田島団地は築58年が経過しており、こういった郊外型大規模団地においては、少子高齢化、コミュニティの希薄化等が課題となっています。
こうした課題感があるなか、「団地キッチン」田島は団地地域の活性化に注力したコミュニティ拠点として貢献しています。

田島団地

運営は、URや分譲マンションの集合住宅管理会社の日本総合住生活が行っています。
日本総合住生活は住宅管理のみならず、コミュニティ形成支援を実施しており、「団地キッチン」田島のほか、「本」をテーマとした「読む団地J verde大谷田」など、いくつかのコミュニティ拠点を運営しています。
こういったコミュニティ拠点運営の活動が評価され、2023年度のグッドデザイン賞・ベスト100に選出されています。

「団地キッチン」田島のある建物はもともとは銀行の支店として機能していましたが、ATMのみの営業となってしまい、メインの扉部シャッターが閉じた状況が続いていました。そこで日本総合住生活は、今後のまちづくり推進や田島団地の活性化に貢献したいと考え、「食」をテーマとしたコミュニティ拠点として再生しました。

「食」をテーマとしているため、「カフェ」「シェアキッチン」「ブルワリー」を備えた複合施設となっています。
特徴的なのが、ブルワリーが併設されていることです。施設内でクラフトビールを醸造しており、イベントなどに応じて地域の特産品を使ったオリジナルビールも作成しています。
シェアキッチンでは、カフェに隣接するイベント用スペースで料理教室が開催されたり、製造業許可対応のキッチンでシェアキッチン会員の方がパッケージングして作ったものを売ったりしています。

団地クラフトビール
カフェに隣接したシェアキッチン

「団地キッチン」田島では、月1回、埼玉の旬を楽しみながら、地域のヒト・モノ・コトに出会えるマルシェを開催しています。地元の農家直売の野菜やシェアキッチンで作られたフード、イベント用に醸造したクラフトビールなどを販売しています。
また、料理教室や、クラフトビールの醸造体験などのワークショップは人気の企画です。
こうした取り組みが実を結び、徐々に施設の認知度が高まっています。

今後の展開としては、マルシェをシェアキッチンの販路の一つとして捉え、会員との連携を強めていきたいようです。将来的にはマルシェ自体の運営も、地域の方々が主役となり、地域に根付いた持続性のある企画になることが期待されています。

マルシェの様子

「食」をテーマとしたコミュニティ施設「団地キッチン」田島はいかがでしたか。
ただのカフェ施設とするのではなく、フックとしてクラフトビール施設を造ったのはユニークですよね。
カフェやクラフトビール、マルシェを目当てで来店していき、徐々にシェアキッチンを知ってもらうという流れは、利用のハードルを下げる意味でとても秀逸です。
初めはカフェに来店してサービスを享受する側のお客さんが、シェアキッチンなどを通してサービスを提供する側に回っていくことも期待できそうです。
今後、「団地キッチン」田島を通して、どのように地域が活性化されていくか注目ですね!

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