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教育の完全デジタル化に邁進する文科省の愚/フィンランドは方針転換

 教育先進国フィンランドが、脱デジタル化に踏み出したという。理由は集中力が下がり、PISAの順位が急落していることにあるそうだ。生徒は学習中、頻繁にSNSを見るという。

 それはそうだろう。大人だってSNS漬けなのだ。そこで、紙のノートに手で書くという方向に転換している。隣国のスウェーデンも同様で、紙の教科書を発行するために予算を確保したという。

 一方、文科省は2027年に完全デジタル化を成し遂げようと、紙の追放に躍起になっている。すでに現場では様々な問題が起きていて、はっきり反対を表明している講師もいるのに聞く耳を持たない。おそらく焦っているのだろう。その結果、すでに周回遅れの日本の教育は、さらに3種遅れぐらいになりそうだ。

 手で字や数字や円を書き、線を引くという行為は学習の基本だ。いわゆる読み書き算盤である。初等教育に派手さは必要ない。日本の初等教育は世界から評価されてきた。それを、先行していている国が修正しているのに、焦って完全デジタル化を目指すなんて愚の骨頂である。デジタル機器は、中学生ぐらいから副教材として使えば充分だ。

 いつも不思議に思うのだが、文科省はどうしてこんなに頑固で、見当違いのことばかりするのか。知り合いに元参議院議員夫人がいて「永田町や霞ヶ関は狭い世界で、自然に視野が狭くなる」と言っていたが、それだけの問題だろうか。私は戦前から受け継いだ文化があると思っている。

 かつて文部省は軍国主義教育の旗を振った。いわば戦争責任があるのに、それを認めず、日の丸君が代の強制を押し進めた。入口には「さざれ石」が置いてある。誤りを認めないのは文科省の文化なのだろう。

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