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アメリカ、イスラエルの報復を認める/そしてまたアフガンで地震 

 パレスチナが大変なことになっている。もちろん、ハマスの殺戮や暴挙は許せない。しかし、もともとはイスラエル建国=不法占拠によって始まった問題なのだ。

 そして、アメリカがイスラエルに報復の権利を認めたというのは、「そうでしょうよ!」という感じだが。イギリスも同調するってアナタ、いくら何でもひどい。そもそも誰のせいだったっけ(世界史の授業を思い出そう/イギリスの二枚舌外交) 今後は恥知らずの意味に「イギリスのような」という言葉を入れてほしい。

 そしてアフガンでまた地震である。気の毒なアフガン・・・TBSの中東支局長がとても熱心な人で、各地をよく歩き回ってニュースを送ってくる。一年前に夕方のニュースで観た映像を、私は忘れることができない。

 首都カブールには、現地の人が「地獄」と呼ぶ場所があるそうで、特派員がそこに行って映像を届けてきたのだ。長い戦乱と圧政で、アフガンの人は深く傷ついており、アヘンやヘロイン依存症がすごく多いとのことである。

 もともと世界最大のケシ栽培地を抱えている上、他に産業がないためタリバンがケシの栽培を奨励していて、大きな収入源になっている。「アフガン20年戦争に勝ったのは、タリバンというよりアヘンである」という見方もあるぐらいだ。

 で、その地獄と言われる場所は橋の下。近づくと麻薬と汚水の猛烈な異臭がしてくる。そこには依存症になった人々が廃人のようになって、座り込んだり寝ていたりしている。寝ている人は、生きてるのか死んでいるのかわからないとか。

 政権も定期的に取り締まりをしているのだが、全く追い付かないという。そして不思議なことに、そこには野良犬がたむろしている。犬は人間の数千倍の嗅覚を持っていますから、人間さえ近づけない場所にいられるはずないのに。

 実はそこにいる人々が寂しくて、犬をそばに置きたいために、アヘンやヘロインを摂取させているのである。人間が生きていくのに必要な、家族も家も友人も何もかもなくし、タリバンにも見放された人々が、麻薬を摂取させた犬と身を寄せ合って、かろうじて生きているのだ。

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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/485463?page=2

 記者は果敢にも、現地の人も近づかない川ベリに降りていって、その映像を送ってきた。私はたまたま、夕食の用意をしながら観たのだが。その光景があまりにも悲しくて精神的に参ってしまい、何にもする気がなくなり、夕食はレンジで温めるだけの冷凍パスタになってしまった。

 元々アフガンには、アフガンハウンドという独特の美しい長毛犬がいる。
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https://www.koinuno-heya.com/syurui/agyou/afghan-hound.html

 でも今はほとんどいない。イギリスが持ち出して改良し、犬種団体(ケネルクラブ)を作って固定化したからだ。イギリスは世界中から在来犬を持ってきて、自分たち好みに改良して犬種を作った。そして動物愛護大国と言われている。

 もっとも在来犬の保護は難しく、成功したのはアジアでも日本だけ。その日本でも、明治の末にはほとんど姿を消し、山奥で細々と生き残っていただけだった。昭和3年(1928年)というギリギリの時期に、日本犬保存会が立ち上がって、秘境にまで入っていって生き残っていた在来犬を探したのである。日本犬という言葉も、この時に生まれた。

 そして、天然記念物の指定を受けるという秀逸な戦略で、何とか血をつないだのである。日本犬6種のうち、最後に指定を受けたのが柴犬だ。昭和12年(1928年)、日中全面戦争が始まった年だった。本当にギリギリ、危なかった。以後は戦争で、犬どころではなくなりなった。

 一方、もしイギリスがアフガンハウンドを持ち出さなかったら、もはや絶滅していたと言うこともできるので、そこはどう考えたらいいのか。私も迷うところなのだが。

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